今あたたは知りあいと中古車の個人売買をしようとしていませんか?
それでしたら悪いことは言いません。すぐにやめたほうがいいです。車業界20年の筆者が、個人売買で目にしてきたさまざまなトラブル。どんなに安全かつ慎重にことを運んでも、不思議なことに何らかのトラブルが巻き起こるものです。
もちろん円滑にすすむケースもあります。いえ、むしろお互い満足して売買がすむことのほうが多いかもしれません。だったらどうして?
それは中古車特有の性質が大きく関係してくるのです。
そこでこの記事では、あなたと関係のある知人との中古車の個人売買について、気をつけるべきリスクをご紹介していきます。
友人、親戚、恋人、ご近所さん、先輩後輩。あなたをとりまく良好な交友関係にひびを入れないためにも、ぜひ参考にしてみてください!
目次
個人売買をしようとする人の傾向は大きく2つあります。
『信用型』・・あの人とは長年の固い絆があるから信用できる
『楽観型』・・何かあっても少々のことなら大丈夫、中古車だからしょうがないよね
ほとんどの方が、ある程度のリスクを想定して売買にのぞむと聞きます。新車とちがって中古車だし、仲介の販売店を通すわけではないし、まあ少なからず何かあってもしょうがないよね、という少し余裕をもった心構えです。
相手との信頼関係も手伝ってか、どこかで大丈夫だろうと安心してしまうんですよね。なにかあれば話しあえばいい。お金で解決する方法もある。こういった具合です。
しかし中古車の場合、なかなかそうもいかないケースがあるのです。次章からみていきましょう。
たとえば知人から絵を購入した場合を考えてみましょう。お互いに納得した金額で取引をして、意中の絵を手にいれます。念のため現物を確認して特に何もなければ、それで取引は終了ですよね。
あとは特に何もありません。絵の個人売買なら、現物を受け渡した時点で取引はほぼおわる。
一方、中古車の場合はどうでしょうか。
お金のやりとりをして、名義の変更もばっちり完了。いざ引き渡しも終わりました。はたして前述の絵のように、ここで終わり!となるでしょうか。3か月後、エンジンから異音がしてきました。整備工場に見せると、修理費用が10万円かかると言われます。
このとき、取引した相手の顔が浮かびませんか?
こんな不具合のあるクルマを売りつけて!
一方、売った側はどうでしょう。そんな症状は乗っているときには全くなかった。今さら言われても知らないよ、となるのが普通の反応でしょう。
このように中古車は、売ってから、買ってからが勝負なのです。さらに残念なことに、その期間はほぼ無期限と思っておいたほうがいいです。3か月でも1年でも乗り続けるかぎり、個人売買した事実からは逃れられません。車はずっと車庫に飾っておくだけではないでしょう。外に出て運転をしますよね。乗れば乗るほど消耗品や劣化箇所はうまれます。
すなわち、大なり小なりありますが、どこかしらおなしな症状が生まれてもしょうがないのです。
中古車の個人売買の場合は、現物(クルマ)を受け渡してから問題がおこりやすい。
取引時にクルマの調子がよく、快調に走る状態であっても、その翌日に何がおこるかまったく予測がつきません。運悪く、どこかで不具合が発生してしまうことだってありえます。
こういったケースでクレームを受けても、クルマの調子がよければよかったほど、譲った側は納得がいかないでしょう。
また購入した側も、あんなに調子がいいって言ってたのに!と相手に不信感が生まれてもおかしくはありません。
このように、お互いどちらにも非が無いからこそ、中古車の個人売買は揉めるのです。
中古車の個人売買は、売る側と買う側に非が無いケースが多いため揉めやすい
車はけっして安い買い物ではありません。たとえ個人売買とはいえ、安くても数万円から、高いものだと百万円単位のものまであるでしょう。そのような価格帯の場合、一括支払いではなく分割で払うというケースもよくある話です。
車は安い買い物ではない。車両代金の支払いは、一括だけではなく分割払いもありえる。
たとえば30万円のクルマを、5万円の6回払いで取り決めをしたとします。
はじめの数回はちゃんと払っていたのに、お金の都合がつかなくなり、支払いが遅れだした。
でも知人だからあまり強く言えない・・
本当によくあるケースです。
また、お金の工面がつかない、というだけではない理由もあります。前章でご紹介したように、途中でクルマに何らかの不具合が発生したときです。
先ほどの事例で考えますと。
30万円の代金を5万円×6回払いで支払うことに決定
↓
3か月目。エンジントラブル発生。
↓
修理費用が10万円かかる!
↓
3か月なので15万円まで支払い済み。
↓
(買い手)残りの代金を払うのが嫌になる。あるいは相殺してほしくなる。
↓
(売り手)相殺すると損した気分。実質20万で売ったことになる。
↓
(売り手)そもそも引き渡したときはそんな症状なかったし、相殺は認められない。
まさに典型的なトラブルパターンです。双方の主張もわかる気がしますが、とくに仲介もないため、お互いの主観で話をすすめていきます。
結果として、話は平行線。お金で解決しようとしても折り合いがつかない、落としどころが見えない、となりどちらかが不満や遺恨を残したまま、人間関係に亀裂が生じていきます。
中古車の個人売買で意外と大変なのが名義変更でしょう。
お互いの書類を集めることから始まり、車庫証明、陸運局での登録と、普段あまり接しない分野の手続きをしなくてはなりません。
きちんと取り決めをする必要がありますが、お互いよく理解していないため、どちらがどれをやるのかが曖昧になりがちです。
途中で面倒になって投げ出すと、最悪の場合、名義を変えずに乗り続ける、なんてことにもつながっていきます。
もし名義変更がされないと以下のようなリスクがあります。
名義変更されないリスク
実際には、ヤフオクなどの個人売買とちがって知人との取引の場合、名義変更トラブルはそんなにおこらないかもしれません。
現実的に考えて、顔見知りの仲で取引に悪意や故意を持ち込むことは考えづらいからです。何度も申し上げますように、中古車トラブルで多いケースは、思いがけない不慮の故障や不具合がきっかけとなります。
直接知り合いと個人売買をするのではなく、その紹介で第三者と取引するケースでも注意が必要です。
身の回りによくある話ですよね。
第三者と個人売買するときも、基本的にはお金のやりとり、名義変更、など同じようなリスクが存在します。
さらにこういった側面もあるので覚えておいてください。
紹介者(知り合い)の顔をつぶさないか
下手な交渉や、売買したあとのトラブルなどで、相手と揉めてしまったとき。直接は知らない人だから強気に行こう、と自分の主張を通しすぎると、その行為は紹介してくれた知人の顔に泥をぬることになります。
結果的に、知人との関係も悪くなってしまい、関係にひびが入ってしまいかねます。
いい話だからと安請け合いをすることなく、慎重に考えてからのぞみましょう。
いかがでしたか。個人売買でありがちなトラブルをご紹介してきました。
筆者の個人的見解では、知り合いからクルマを買わない、売らない、がベストだと思っています。もちろんお店を通してなら話は別ですが、個人間のお金のやりとりは、たとえ双方にとって金額的メリットがあったとしても、おすすめはできません。
お伝えしてきたように、クルマとはそもそも乗っていればどこかしら調子が悪くなるものです。修理をしたり交換をしたりとメンテナンスはクルマにつきものですから、その症状に知人の存在をからめるべきではありません。
目先の損得で、築きあげてきた大切な人間関係を壊したくないですよね。
もちろん冒頭で申したように、個人売買でも実際には円滑に取引がすすむケースの方が多いと思います。ですから、絶対にやめた方がいい!とは言い切れない部分も正直あります。
この記事でお伝えしてきたことは、あくまでもこじれた場合のリスクであり、意外とトラブルの種が潜んでいる、ということです。何卒そのあたりはご留意いただければと思います。
今、あなたがクルマの個人売買を考えているのなら、少しでもこの記事が参考になれば幸いです。
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