車を処分したら、本当に廃車されたか確認したくなるのではないでしょうか。
廃車業者に依頼をしてみたものの、確かに廃車手続きをとってくれたのか、実際に目にしないと不安な気持ちは収まらないかもしれませんね。
そんなときに効力を発揮するのが”廃車証明書”です。これが1枚あれば安心はさることながら、さまざまな用途に使用できるので大変便利です。もし廃車業者に依頼したのであれば、車を引き渡したあとにもらえるこの証明書が活躍します。
ではいったい廃車証明書にはどんな役割があり、どんな内容が記載されているのでしょうか。そこでこの記事では、廃車証明書についての内容を初心者でもわかるよう、簡単シンプルにお伝えしていきます。ぜひ参考にしてみてください。
廃車証明書という正式な証書はない
”廃車証明書”というと、抹消手続きをした後で陸運局から交付される証書、といったイメージがありませんか。インターネットで”廃車証明書”と検索しても、かなりヒットすることから、あたかもそのものが存在するような錯覚にとらわれますよね。しかし、実際はそのような名称の証書を陸運局は発行していません。
そもそも廃車証明書といった公的な書類自体が実は存在しないのです。では廃車業者が自作した、”確かに廃車をしたことを証明する書類”なのか、というと、それもあまり耳にしたことがありません。
つまり一言でいうとそんな証明書は世の中にないのです。自動車業界の専門家に尋ねても、まず首をかしげるだけでしょう。
ではいったい何を指して、廃車証明書と呼んでいるのでしょうか。
抹消したあとの車検証(のようなもの)を指す
廃車証明書とは、陸運局で抹消の手続きをしたあとの車検証(のようなもの)を、一般的に呼ぶケースが多いです。
周知のように車検証は一台につき一枚そなえられており、ここに名義などの登録情報が記載されています。もし名義変更をすると、持ち主の情報も陸運局で書き換えられます。
抹消の登録手続きをしても同様です。持ち主の情報を抹消したという旨が、車検証上に載ってきます。このときの車検証が通称、廃車証明書と呼ばれるものです。
抹消手続き済みであることを証明する、陸運局で発行した公的なものですから、その効力や意味合いも確かなものになります。
ただしここで気をつけたいのは、その証明書にはいくつかの種類があるという点です。それぞれ名称、性格が異なりますので、次章で細かくお伝えしていきます。
一時抹消と永久抹消
陸運局で抹消手続きをする場合、2つ種類があります。それぞれ一時抹消、永久抹消といいます。一般の方にはかんたんに、廃車が2種類あると思ったほうがわかりやすいかもしれません。
意味合いは読んで字のごとくで、一時抹消は一時的に車を使用できないようにする手続き、永久抹消は完全にスクラップした手続きです。
一時抹消・・・一時的に使用しない手続き
永久抹消・・・永久に使用しない手続き
より廃車に近い感覚は永久抹消でしょう。車自体を解体したうえで登録するので、たしかに廃車を証明しています。
一方、一時抹消はあくまでも一時的に所有者がいないだけであり、売りてが見つかればすぐに登録されて蘇ります。これでは廃車になっていないですよね。 しかし、当時の所有者の情報は削除されますので、やはり当人にとっては廃車証明書、とよんでも便宜上さしつかえないと考えられます。
抹消謄本の正式な名称
一時抹消と永久抹消をしたあとの証書は、それぞれ正式な名称がありますのでご紹介します。
【普通車の場合】
一時抹消・・・登録識別情報等通知書
永久抹消・・・登録事項等証明書
【軽自動車の場合】
一時抹消・・・自動車検査返納証明書
永久抹消・・・検査記録事項等証明書
この正式な名称は、プロの専門家でもおそらく覚えていませんので、難しい名前なんだなくらいでいいと思います。
ポイントは一時抹消か永久抹消か、さえ判別できれば大丈夫です。ちなみに自動車業界では俗に”抹消謄本”とよんでいます。
車を解体した証明
車本体が解体されたことを証明できる証書があります。これは『自動車リサイクルシステム』というサービスです。このサイトからプリントアウトした内容に、自分の車が確かに解体された情報が記載されています。
検索方法は
の情報がわかれば調べられます。
※あくまでも車が解体されているかを判別するものです。抹消登録の有無については記載がないので注意しましょう。
廃車証明書はコピーでよい
廃車証明書はコピーを所持するのが一般的です。
一時抹消された車をイメージしてみてください。本人の情報は抹消されていますが、実際に車が解体されているわけではありませんよね。再び世に出て走るために、次の売りてを待っている状態です。
もし売りてが見つかった場合、所有者を登録するために陸運局では原本が必要になります。そのため車を解体しないかぎり、抹消された車検証(登録識別情報等通知書)と車両はいつもセットでいる必要があるのです。
またたとえば廃車証明書が必要な保険の解約でも、原本ではなくコピーの添付ですから、まにあってしまいます。
永久抹消にかんしてはコピーでも原本でも構いませんが(今後原本を使う場面がないため)、一時抹消では、原本は常に車と一緒にいるとお考えください。すなわち手放した本人が持てるのはコピーしかありません。
廃車業者に依頼すると、抹消手続きが終わったあとは原本コピーが郵送されてきます。一時抹消の場合これで正解ですから、まちがっても原本を請求しないようにしましょう。
廃車証明書を何に使う?
廃車証明書を使う3つの場面
廃車証明書を使う場面はそんなに多くはありません。
おおまかにあげると以下の3つです。
- 確かに抹消されたことを確認できる
- 自賠責保険の解約に使う
- 自動車任意保険の中断に使う
1は廃車依頼した全ての方に必須の項目でしょう。廃車業者に頼んだら車を引き取っておわり、ではありません。
確実に抹消まで終わっているかを確認したところで、晴れて完了と判断できます。逆にいえばそれを確認していないうちは、まだ安心をしてはいけません。
車業界のあるあるでは、名義変更のトラブルが毎年必ず上位を占めます。抹消登録も同様です。大丈夫だろうと確認を怠って、大変な目にあってからでは後の祭りです。
ここで気をつけたいのは、抹消の完了は電話やメールではなく、必ず郵送してもらうことです。廃車証明書を自分の目で確かめ、まちがいなく抹消されていることを確認しましょう。
廃車証明書から自動車税還付額を確認
もう一点、抹消された日付けもチェックするといいでしょう。これは自動車税のトラブルを防ぐための大切なポイントとなります。
普通車の場合、自動車税の還付が受けられます。お金は抹消の手続きをした翌月分から戻ってきます。たとえば8月に抹消の手続きを終えると、9月分からの還付が受けられます。
自動車税を1年分納める
↓
1年分の税金を12で割って考える(月額)
↓
8月に手放し、抹消手続き
↓
4・5・6・7・8月の5か月分を負担
↓
9~3月までの7か月分が還付される
ところが8月に車をひきあげても、必ずしも8月中に抹消の手続きがされるかは定かではありません。いい加減な廃車業者の場合、のんびりと翌9月まで手続きをしないとも限らないのです。
一か月のズレですが、手取りにして3000円前後、戻り額が変わってきます。怠慢な業者のせいでこちらが損をするなんて、なんだか腹立たしいですよね。
契約のなかで、いつ抹消手続きをする、という話しもあがると思います。それが確かに実行されたかどうか、それによって想定した月数の還付金が受けられるか、この点を廃車証明書で確認できるのです。
証明書が届いたら、忘れることなく抹消された日を確認しましょう。
まとめ
いかがでしたか。廃車証明書についてお伝えしてきました。
ポイントをおさらいします。
- 正式な廃車証明書はない
- 廃車証明書とは便宜上、陸運局で発行された4種をさす
【普通車の場合】
一時抹消・・・登録識別情報等通知書
永久抹消・・・登録事項等証明書
【軽自動車の場合】
一時抹消・・・自動車検査返納証明書
永久抹消・・・検査記録事項等証明書
1 確かに抹消されたことを確認できる
→確かに抹消されたかを目視
→抹消された日をチェック(還付金の確認のため)
2 自賠責保険の解約に使う
3 自動車任意保険の中断に使う
理解が深まればよりスムーズに、より的確に廃車ができます。愛車を処分したあかつきには、必ず廃車証明書をとりよせて確認することをおすすめします。それでは、ぜひこの記事を参考に、あなたの有意義なカーライフのお役にたててみてください。
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