毎年、春先の5月頃に届く自動車税の納税通知。
排気量に応じて金額は変わりますが、その負担はとても大きく、家計に思いっきり響きますよね。一年分を一括して請求されるので、かなりまとまった支出となってしまいます。
普通車だと年間で4万円、5万円とかかることから、後で納めればいいだろう、と支払いを保留する人も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
そしてそのまま一年間、税金を納めなくても、特に税事務所から勧告がないと、
このまま払わなくてもいいのでは?
そんな考えが頭をよぎってしまうかもしれません。
さて、ではこのまま滞納を続けたまま車を廃車しようと考えたとき、はたして無事に手放すことができるのでしょうか。
そこでこの記事では、車を廃車したいけれど自動車税を納めていない方にむけて、その仕組みや方法、そして結局できるのかできないのか、についてお伝えしていきます。初心者でもわかるよう、かんたんシンプルにお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
自動車税が未納でも廃車できる
廃車できるかどうかは未納期間できまる
結論から申しますと、自動車税が未納でも廃車はできます。
ただし条件がつくので注意してください。1年分を放置しているぶんにはセーフです。廃車はできますので、そのままお手続きをすすめましょう。
では2年以上、支払いを滞ってしまうとどうなるのでしょうか?こちらは残念ながら廃車できません。すみやかに納税する必要があります。
1年分の滞納 → 廃車できる
2年以上の滞納 → 廃車できない
このカタチだけ覚えておけば、最低限の判断はできるかと思います。
※厳密には2年以上の滞納だと抹消手続きはできませんが、解体処理はできます。その点については後ほどお伝えします。
自動車税の未納を廃車業者に伝えたほうがいいか?
これははっきりと伝えてください。結局、わかってしまいますので。
自動車税事務所と陸運局は、ネットワークでシステム連動しております。もし自動車税の未納がある場合は、その情報がそのまま陸運局に共有される仕組みとなっています。
廃車業者が抹消の手続きをする際は、2年以上の滞納であれば陸運局の窓口でストップされてしまいます。つまり抹消することができないのです。
実はもし抹消することができなくても、廃車する手段はいくつかあります。ですから廃車業者としては、未納であることを告知さえしてくれていれば、いくつかの提案を事前にできるのです。
一方、支払っていない罪悪感から、あるいは廃車ができないと困ることから、未納者の方で黙っている方もいらっしゃいます。しかしそうなると、あとあとお互いに面倒になるだけです。
車を返されると手間なので、なかには、廃車業者から抹消できなかった、という連絡を拒否したりする方もいるかもしれません。しかし重複しますが、廃車するいくつかの方法を提案されるだけなので、あまり構える必要はないでしょう。
また廃車業者が一番困るのは、抹消の手続きができず、また連絡もとれずで、車と預かった書類が宙ぶらりんになってしまうことです。
自動車税が1年の未納期間であれば、告知せずとも抹消はできますので何ら問題はありません。もし2年以上未納でしたら、プロの廃車業者に迷わず相談をしましょう。
自動車税の未納で車検をうける
廃車にはせず乗り続けるケースではどうでしょうか。もし自動車税を2年以上納めていないと、公道を走ることができなくなります。
この論理はとてもかんたんで、普通車では2年に一度、車検を迎えるからです。そして車検を受けるときに必要なもの、それが自動車税の納税証明書です。
納税証明書は自動車税を納めてはじめて発行されるものですから、未納であれば当然、用意することができません。つまり車検を受けれない、ということになります。
自動車税の未納
↓
納税証明書が発行されない
↓
車検には納税証明書が必要
↓
車検を受けることができない
↓
公道を走れなくなる
自動車税を納めないと、乗り続けることができなくなります。車検が切れる前に納税の対処をしましょう。
1年だけ滞納時の廃車
今年度の1年分だけ自動車税を納めていない、というケースはよく見受けられます。この場合、廃車手続きは可能です。
そこでよくあるのが、”どうせ廃車するから1年をとおしては乗らない、それでも払わないとだめなの?”
という疑問です。判断がつかずに、今年度分の納税を保留にしている方もいることでしょう。しかし税金は必ず納める必要があります。払わない、という選択肢は残念ながらありません。
普通車の納税には2つの方法があります。どちらを選んでも負担する額は一緒です。
先に1年分を払い、後から還付をうける
廃車が決まったら、春先に届いた1年分の納付書をもとに、そのまま全額納めてしまいます。普通車の場合、月割りでお金が戻ってきますから、陸運局での手続きが終わると還付を受けられます。
このとき注意する点は、手続きをした翌月分から還付されることです。たとえば8月に抹消の手続きを終えると、9月分からの還付が受けられます。
自動車税を1年分納める
↓
1年分の税金を12で割って考える(月額)
↓
8月に抹消手続き
↓
4・5・6・7・8月の5か月分を負担
↓
9~3月までの7か月分が還付される
先に1年分を納めてしまっても、結局あとから月割りで戻ってくるので、支払額は自分が乗っていた月ぶんだけの計算です。
1年分を払わず分納する
一方、1年分を払わない方法もあります。どちらかというと、この方法のほうがまとまった支出がないので便利かもしれません。
まず廃車をして抹消の手続きをします。その後、廃車業者から抹消の通知が届いたら、税事務所に連絡をいれます。そこで分納を依頼すれば、自分が所有していた月分の分納納付書を郵送してくれます。
1年分の自動車税を保留
↓
廃車をする(抹消の手続き)
↓
廃車業者から抹消の通知が届く
↓
税事務所に連絡
↓
『車を抹消したから自動車税を分納で納めたい』と伝える
↓
自宅に分納の納付書が届く
この方法のメリットは、まとまった支出がないことです。経過月数分だけ納めますからお財布に優しい方法といえます。ただし、手続きをするタイミングによって延滞金が発生するので、厳密には1年一括払いより若干の持ち出しがうまれます。(各都道府県ごとに、また車の排気量によっても税率が変わりますので、気になる方は管轄の税事務所に問い合わせてみてください)
自動車税の考え方
そもそも自動車税の発生はその年の4月1日に所有されている方が対象です。
自動車税は4月1日時点の持ち主へ
ただし軽自動車と普通車では、その仕組みが変わってきます。軽自動車の場合、いつ手放そうと還付がありません。したがって4月1日に所有している方の全責任払いになります。たとえ4月2日に手放したとしても、納税義務は1日所有の方が1年分全額です。たった1日でも逃れることはできません。
一方、普通車の場合は、月割りで還付を受けられます。1年分を先払いするのですが、手続きをした翌月分から還付されるので安心です。
還付方法はとてもかんたんです。県税事務所から還付の通知が自宅に届きます。その書類を銀行や郵便局などの金融機関に持っていくと換金してくれます。ただし、陸運局で手続きが済んでから1~2か月ほどかかります。忘れたころに届くと覚えておきましょう。
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自動車税を2年以上支払っていない
2年以上滞納すると、原則廃車はできません。しかし、方法はあるのでお伝えします。
廃車には2つの要素がある
まず少々ややこしいのですが、ここで”廃車とは何か”という点から考える必要があります。そもそも、車を廃車するときには2つの意味合いがあります。
1 車両の廃車・・車両を解体する
2 名義の廃車・・抹消手続きをする
このように車本体と書類上の2つで考えると分かりやすいです。
1のように解体スクラップをして、車そのものを失くす行為と、2のように抹消の手続きをして書類上の名義を失くす行為です。
1 車両の廃車・・車そのものの存在をなくすこと
2 名義の廃車・・名義そのものの存在をなくすこと
車と名義をなくすことで廃車が完了します。どちらか片方だけでは、完全に廃車したとは言えません。1と2の両方を手続きする必要があるのです。
2年以上滞納しているときの廃車方法
さて2年以上、自動車税を滞納している方は廃車ができない、とお伝えしました。しかしこれは2の抹消の手続きができない、という意味合いになります。
一方、1の車両を解体することはできます。税金はまだ払えないけれど、車はもう使用しないし邪魔だから引き取ってほしい、という希望があるとき、解体作業だけは済ますことができるのです。このとき、未納のため抹消手続きはできず名義は残ったままですが、車両はスクラップしている状態です。
とりあえず車を解体する
↓
解体報告日が発行される
↓
自動車税事務所に申請
↓
今後の課税をストップ
↓
めどがついたら未納分を納める
↓
陸運局で手続きできるようになる
↓
抹消をして名義
このような流れです。
なかには、自動車税事務所に申請をして今後の課税をストップした時点で、安心して動きを止める方もいます。たしかに名義は残っていますが、もうこの世に車はないし、自動車税も止めたので、実情なにもリスクがみあたらない、という心境からです。
通常の流れですと、最後に名義の抹消まで終えて廃車完了となり、廃車業者も極力こちらの選択をおすすめはします。
もちろん車を解体して課税止めの申請をしても、今まで滞納していた分は帳消しにはならないので気をつけましょう。
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まとめ
いかがでしたか。自動車税が未納でも廃車できるかについてお伝えしてきました。
1年ぶんの滞納・・廃車できる
2年以上の滞納・・解体はできるが抹消はできない
本来、負担すべき税金から逃れることはできません。いずれの処理をしても、納税義務まで消えることはなく、どこまでも追いかけてきます。
自動車税事務所に連絡をすれば、納税のアドバイスや分納の手続きなど、相談にのってくれることもあります。普通車の場合はナンバーの管轄税事務所へ、軽自動車は市区町村の役場へ、この機会に話しをきいてみるのも一つの手です。
それでは、ぜひこの記事を参考に、あなたの有意義なカーライフのお役にたててみてください。
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