本当にタイヤを変えるだけで燃費がよくなるの?
少し前から耳にするようになった低燃費タイヤ。世間での認知度もあがり、だいぶ世に定着してきた感があります。いままさにタイヤ交換のタイミングで低燃費タイヤにしようか迷っている人もいるかもしれませんね。
そこでこの記事では、低燃費タイヤとは何か、どんな特徴があるのか、得をすることは?などお役に立つ情報をまとめてご紹介していきます。
低燃費タイヤ=エコタイヤ
ちなみにエコタイヤという似たような名前もありますが、低燃費タイヤ=エコタイヤの認識でよいと思います。自動車業界でも同じ意味や用途で使っています。それでは、わかりやすくシンプルにお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
低燃費タイヤとは、日本自動車タイヤ協会(JATMA)が定めた基準をクリアしているタイヤをいいます。燃費性能に優れ、かつ環境にも優しい低燃費タイヤはエコタイヤとも呼ばれています。
低燃費タイヤとは
日本自動車タイヤ協会の基準をクリアしたタイヤ。燃費、環境に優しい。大手タイヤメーカーのブリジストンが提供する動画がわかりやすいのでご紹介します。
市販の低燃費タイヤには、それを見分ける統一マークがあります。
このマークが低燃費タイヤであることの目印です。2010年から日本自動車タイヤ協会が業界自主基準として定めました。
日本自動車タイヤ協会とは
一般社団法人日本自動車タイヤ協会(にほんじどうしゃタイヤきょうかい)は、自動車タイヤ製造業の発展向上を図るため、日本国内のタイヤメーカーにより1947年に設立された団体。
略称はJATMA(ジャトマ)。所在地は東京都港区虎ノ門。公益法人制度改革に伴い、2011年4月1日より一般社団法人となる。
参照 Wikipediaより
転がり抵抗性能は等級が5段階にわかれ、AAAほど良い数値になります。
(この図だと3段階目のA)
そもそも転がり抵抗性能とは何でしょう。
文字通りうけとめると『転がる』その『抵抗』。では燃費よくするためには、この抵抗を高めればよいのか、低めればよいのか。どちらかわかりますでしょうか?
燃費を良くするということは、タイヤがよく転がる、ということですよね。タイヤを良く転がすためには、抵抗があってはいけないわけです。
抵抗が小さい方が遠くまで転がる。ものすごく乱暴に言うと、ツルツルなほど抵抗は小さくなりますから遠くまでいけます。同じエネルギーなら抵抗が少ないほうが遠くまで走れる、すなわち燃費が良くなることにつながります。
ただし、タイヤの働きは”転がる”だけではありません。ぱっと浮かんでくるだけでも、”止まる”、”曲がる”、などがありますよね。もしツルツルスベスベな抵抗の少ないタイヤであれば逆に、止まれない!曲がれない!、といった問題が出てきます。転がり抵抗性能だけを追求していけば、タイヤは機能しなくなってしまうのです。
※便宜上、ツルツルという表現をしましたが、実際の抵抗はゴム素材の質や熱量、剛性、空気圧、溝などなど諸要因があります。
低燃費を示すもう一つの基準にウェットグリップ性能というものがあります。これは路面がぬれた状態でのタイヤのグリップ力(制動時のグリップ力)で4段階に設定されます。(この図だと3段階目のC)
前章で転がる能力を見てきましたが、今度は止まる能力です。止まりやすさはそのまま安全性を意味します。上のラベルをご覧になるとわかるように、低燃費タイヤはこの”転がる”と”止まる”の2つのバランスで考えよう、と伝えてくれています。
そしてこの2つの性能はトレードオフの関係。転がるを追いかければ止まれない、止まるを追いかければ転がらない、と相反するものなのです。
転がるを追いかければ止まれない、止まるを追いかければ転がらない
こんな疑問がわいてきた人はいませんか?
抵抗を極力へらすことで低燃費タイヤの基準をクリアしているんだよね?安全性は大丈夫なの?
これにはもう一つの基準、グリップ性能が関係してきます。
実際この数値も高いレベルで設定され、それはラベルのアルファベット4段階にも記載されています。そしてその基準をクリアしたものだけが低燃費タイヤの称号を得られるのです。つまり低燃費タイヤとは燃費と安全面、両方の角度から考えられたタイヤといえます。
燃費と安全面。2つの基準をクリアしたタイヤのみが低燃費タイヤとなる
低燃費タイヤをはくことで、燃費は良くなります。しかし、実数として何%向上するのか?それを表現するのは難しいものがあります。なぜか。それは比較の元となるあなたのクルマが、今どんなタイヤをはいているかわからないからです。
そこで感覚だけざっくりお伝えするなら、だいたい2~5%くらい燃費向上するのが一般的な数値かと思います。
低燃費タイヤで燃費が2~5%ほど向上する
もし年間で約10000km走行する人なら、3000円~10000円の節約
1年でガソリン満タンを2回。そのくらい差が出そうですね。
低燃費タイヤは性能の良さがウリですよね。そのため、普通のタイヤを買うより若干価格は高くなります。
燃費をよくするために割高なタイヤを買う、これって本末転倒では・・?
よくみなさんが悩まれる問題です。結局変わらないのでは、という意見もあります。
もし迷われているなら、
などをよく考えたうえで、購入するショップに相談するのがベストでしょう。
また、どうしても金額面で判断がつかない場合は、低燃費タイヤのもう一つの特徴である、環境にやさしい一面を考慮してもよいと思います。次章で詳しくお伝えします。
低燃費タイヤは環境に優しい、といわれています。とはいえタイヤ自体が何か環境に対して寄与するような性能はありません。
この環境に優しい、という意味は
低燃費タイヤ
↓
燃費がかからない
↓
資源(石油、ガソリン)をおさえられる
↓
CO2の排出をおさえられる
↓
環境に優しい!
というロジックです。タイヤそのものがどうこうではなく、燃費がよいぶんガソリン使わないよね、という考え方です。ただ、お菓子業界のバレンタインやハロウィーン戦略のように、メーカー側がエコブームにのって余計にこしらえてしまっている側面もないとは言えない気がします。
それでも事実として、環境に優しいことに間違いありません。タイヤ選びはコスト面ばかりに目をむけず、地球環境やエコロジーに目を向けてみるのもアリだと思います。
いかがでしたか。低燃費タイヤについての情報をお伝えしてきました。近年の自動車業界は、ハイブリッドやEVなどが主流です。各メーカーは威信をかけた低燃費競争の真っ只中でしのぎを削っているのです。
三菱自動車”ekワゴン”の燃費改ざん問題など、まさにその象徴ともいえる事件でしたよね。いかにカタログに高い燃費性能、いえ数値をかざることができるか。それが一つの目的となっていることは疑いようもありません。
低燃費タイヤも例にもれず、今では各メーカーがこぞって標準装備にしたがります。そんな時代の背景を考えると、低燃費タイヤはもはやスタンダードな存在であり、普通タイヤか否かといった論争は間もなく幕を閉じるのかもしれません。
今、タイヤ選びで迷っている方も、これからの時代を見すえつつ自分にあったタイヤを探してみてください。この記事がそのお力になれば幸いです!
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