外国メーカーの排ガス不正問題で、にわかに注目が高まったディーゼル自動車の排気ガス規制問題。みなさんも記憶に新しいところではないでしょうか。
ディーゼル車にかかわらず自動車はすべて、自動車排気ガス規制により、自動車のエンジンから排出される一酸化炭素や窒素酸化物、黒煙などの大気汚染物質の上限が決められています。
特にディーゼルエンジンから排出されるPM2.5などの粒子状物質やNOxと呼ばれる窒素酸化物は、環境・人体に与える影響が大きいため厳しい規制がかけられています。そのような排出物を捕集し、燃焼する装置が「排ガス浄化装置」です。
今回は、ディーゼル自動車の排ガス浄化装置についてご紹介します。
目次
日本の排気ガス規制は、昭和41年から施行されています。規制内容は「単体規制」「車種規制」「運行規制」の3つです。
「単体規制」は自動車排出ガスの濃度基準を制限しています。「車種規制」は特別措置法「自動車NOx・PM法」による規制で、基準に満たない車両の登録をさせない規制です。「運行規制」は車両の運行を制限するもので、ディーゼル規制やマイカー規制がこれにあたります。
環境問題に対する関心の高まりや諸外国の規制強化の流れから、その規制内容は年々強化されてきました。最近では平成14年、15年、16年規制(新短期規制)により、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質や窒素酸化物に規制強化が実施されています。
また、平成17年には平成17年規制(新長期規制)が実施され、ディーゼル車の排出ガス試験法が見直しされました。平成21年、27年にも排出基準が見直され、自動車排出ガスの規制を強化しています。
さらなる環境負荷低減を目指し、この先も規制内容の検討が続いていくでしょう。
自動車排気ガス規制が強化されるとともに、自動車メーカー各社もエンジンの改良や排気ガス浄化装置の開発を進めてきました。
排ガス浄化装置は、排気ガスに含まれる有害物質である粒子状物質や窒素酸化物を、フィルターや触媒などを利用して除去する装置のことです。
ディーゼルエンジンは燃焼効率が高く二酸化炭素の排出が少ない特長がありますが、かわりに粒子状物質を排出するため、それらをフィルター・触媒により集めて排ガス温度を高めることで燃焼除去します。
最近では窒素酸化物も同時に還元する触媒も開発され、NOx吸蔵還元型の触媒やリーンNOx触媒などの新型の触媒も徐々に導入され始めています。
外国メーカーのディーゼル車による排ガス不正問題を契機に、国土交通省と環境省は新たな基準で排ガス検査を行いました。
国内メーカーのディーゼル車が走行中に排出する排ガスを検査した結果、屋内検査基準に対して最大10倍もの窒素酸化物が検知されました。排ガス浄化装置は外気が低温の状態で作動するとエンジンを痛める恐れがあるため、自動的に止まる仕組みになっています。今回の検査の結果は、検査が冬に行われたことが原因とされています。
寒い冬を走行中に窒素酸化物が多く排出されること、また渋滞時や急発進時にも排出量が増えることが、これからの排ガス問題の課題といえるでしょう。
現在の規制基準では違反にはなりませんが、このような結果を受けて国土交通省は、走行中に関しても排ガス規制を設けることを検討しています。今後は、よりクリーンな排ガス浄化装置が求められることでしょう。
大気汚染による環境破壊から豊かな自然を守るために、排ガス浄化装置は日々進化を続けています。
自動車が抱える問題点に目を向けることは、自動車に乗る者としての義務ではないでしょうか。
環境に配慮したエコドライブを心掛けたいものです。
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