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ヨーロッパで普及が進む人気のクリーンディーゼル車のメリットとデメリット

クリーンディーゼル車
公開日: 2016.07.22 / 最終更新日: 2020.05.30
 

ディーゼル車といえば、日本では排出ガス規制の対象になるなどマイナスのイメージを持たれていますが、

ヨーロッパではフランス人の60%、ドイツ人の40%が乗っているといわれるほど人気があります。

 

実際、ディーゼル車は、ヨーロッパの新車販売台数の約50%を占めています。

環境先進国のヨーロッパでディーゼル車が普及した理由は、

排出ガスの軽減や燃費が向上したクリーンディーゼル車の存在が大きいです。

 

今回は、エコカー減税の対象にもなるクリーンディーゼル車のメリットとデメリットについてご紹介します。

 

 

クリーンディーゼル車とは

クリーンディーゼル車とは、平成22年(2009年)排出ガス規制「ポスト新長期規制」の基準を満たす、

窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の排出量の極めて少ないディーゼル車のことです。

 

ガソリン車と比較して約20%程度二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、

NOxやPMの排出量が少ないため環境負荷も少なく、燃費性能も優れています。

 

 

 

 

 

「ディーゼル車規制」と技術革新によるクリーンディーゼル車のシェア拡大

ディーゼル車は、排出ガスに含まれているNOxやPMが健康被害をもたらす可能性があるとして、東京都による「ディーゼル車NO作戦」(1999や一都三県の「ディーゼル車規制」(2003年)など、粒子状物質(PM)の排出基準をクリアできない車両を禁止する規制が実施された過去があります。

 

そのため、大きく国内でのディーゼル車の販売台数は大きく落ち込みました。

 

 

 

 

しかし、1990年代に技術開発が進み、排出ガスのクリーン化、燃費のさらなる向上に加えて、

ガソリン車以上のトルク(馬力)や中間加速力が上がり、騒音や振動の点でも大幅に性能が向上しました。

 

また、ディーゼル車の排出ガス中のPMは、燃料の軽油に硫黄分が多く含まれることが原因でしたが、

軽油中の硫黄分を従来の500ppmから50ppmに低減した低硫黄軽油が流通し始め、

加えて燃料噴射装置の刷新などの技術革新によって大幅な排出ガスのクリーン化を実現しました。

 

その結果、ヨーロッパでのディーゼル乗用車のシェアは拡大し、

現在は新車販売台数の約50%を占めるほどになっています。

 

 

クリーンディーゼル車のメリット

クリーンディーゼル車の主なメリットは下記です。

 

・ガソリン車よりもCO2排出量が少ない

・従来のディーゼル車に比べ、NOxやPMの排出量が少ない

・燃料が軽油のため燃料代が安く、ランニングコストが抑えられる

(軽油はレギュラーガソリンと比較し、1Lあたり20~25円ほど安く、ガソリン車に比べて2~3割燃費が良いため、ランニングコストが安くなる)

・ガソリン車と比較して、エンジンのトルクが高く力強い

(高効率で高トルクのエンジンがつくれる)

・エンジンの耐久性が高い

(ガソリンエンジンの耐久寿命が10万~30万kmに対して、ディーゼルエンジンは30万~100万kmの耐久寿命がある)

 

 

クリーンディーゼル車のデメリット

メリットが多いクリーンディーゼル車ですが、一方で下記のようなデメリットもあります。

 

・ガソリン車よりも数十万円ほど価格が高い

・ディーゼルエンジンが重いため、車体が重くなる

・大幅に減少したものの、NOxやPMの排出がゼロではない

(電気自動車では排出ガスがないため、NOxやPMは排出されない)

 

 

 

まとめ

ヨーロッパでクリーンディーゼル車の人気が高い背景には、

一定のスピードで長距離を移動する機会が多いという事情があります。

ヨーロッパでも都市部は渋滞がありますが、広大な田園地帯ではスピードを出して

長距離を走り続けられる道路も多く、日本とは違う道路事情の差も大きく普及に関係しているようです。

 

 

日本でも各自動車メーカーが国産のクリーンディーゼル車を開発・販売しており、

排出ガスや燃費基準を達成した車にはエコカー減税が適用されています。

価格的にはガソリン車よりも多少高いものの、ハイブリッド車や電気自動車よりも低価格です。

 

なによりも、以前「ディーゼル車規制」を受けた時代のディーゼル車とは、

排出ガスや振動・騒音、馬力などの性能面が大きく向上している点があります。

クリーンディーゼル車を見直して、買い替え候補の中に入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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