みなさんは自動車シュレッダーダストという言葉を聞いたことがあるでしょうか。自動車シュレッダーダストは、自動車を解体した後に残る廃棄物の1つです。
今回は、この自動車シュレッダーダストの成分と処分問題についてご紹介します。
目次
廃車された自動車は、自動車解体業者が解体処理した後に工業用シュレッダーによって破砕されます。その中から鉄や非鉄金属を取り除いた後に残った廃棄物が「自動車シュレッダーダスト」です。
自動車シュレッダーダストの主な成分は、ウィンドウやミラーに使われていたガラスやダッシュボードなどのプラスチック類、部品として使用されていたゴム、シートベルトや座席の繊維類などです。
自動車1台に対して約20~25%がシュレッダーダストになるといわれており、資源として利用することができないことから埋め立て処分されていました。
しかし、自動車には、水銀やカドミウム、鉛などの有害な重金属や有機溶剤などが含まれているため、環境に悪い影響を与えることが懸念されており、1996年4月から管理処分場でのシュレッダーダスト埋め立て処分が義務付けられました。
管理処分場は、埋め立て地から出る有害な浸出液によって地下水や公共水域が汚染されないように、遮水工を設けたり、有害浸出液の処理施設を設けたりして、環境への影響を最小限に抑えるための設備を持った処分場です。
年間100万トン近く発生するといわれている自動車シュレッダーダストは、重量は軽いですがかさ張るため、処分場不足が年々深刻化しています。
処分場不足は悪質な業者による不法投棄につながり、「豊島事件」に代表される不法埋め立て事件なども発生しました。
このような状況を改善するため、不法投棄の防止やシュレッダーダストの適正な取り扱い、リサイクルを進めるためにさまざまな法整備が行われました。
近年では自動車メーカーやリサイクル業者、廃棄物処理事業者などが、自動車シュレッダーダストをコンパクトにしたり再利用したりする技術を開発しています。
また、シュレッダーダストをガス化溶融炉で溶かし路盤材などに再利用するほか、発生したガスや廃熱を発電に利用する取り組みなど、省資源に有効なリサイクル技術が既に実用化されています。
自動車シュレッダーダストの問題を受けて、1997年に、「自動車のリサイクル率の向上」と「有害物質使用量の削減」を達成目標とした「使用済み自動車リサイクル・イニシアティブ」が策定されました。
そして、2002年に「自動車リサイクル法」が制定され、フロン類、エアバッグ類、シュレッダーダストの3品目についてメーカーが適正に処分・リサイクルすることを義務付けました。
リサイクルにかかる費用は自動車の所有者が負担することと定められており、自動車を購入する際にリサイクル料金として納めなければなりません。
リサイクル料金は自動車の大きさや車種などにより異なり、自動車メーカー各社によりそれぞれ公表されています。また、自動車リサイクルにかかわる業者が自動車の引き取りや引き渡しを行う際に、情報管理センターに報告する「移動情報管理システム」も導入されたことにより、自動車のリサイクルが円滑に行われるようになりました。
その結果、現在、自動車のリサイクル率は約95%まで向上しています。
さまざまな企業、業者が研究を続けてきたおかげで、自動車シュレッダーダストの発生量はかなり少なくなりました。
しかし、いつかは必ず埋め立て処分する場所もなくなってしまいます。
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