車検が切れた車を運転することになったら、あなたはどうしますか?
まさか、警察にとめられなければ大丈夫、見つかるか見つからないかは運次第などと考えてはいないですよね。
ヤフオクで落札した車を引きあげるときはどうでしょう?抹消済みの車でナンバープレートがついていない! どうやって運べばいいの?と頭を抱えてはいないでしょうか。
専門的な知識を持ち合わせていないと、対処に困ってしまうかもしれませんね。このような状況で、あなたを助けてくれるのが“仮ナンバー”制度です。この仮ナンバーがあれば車検が切れた車やナンバープレートの無い車を運転することができます。
あまり耳なれない言葉かもしれませんが、仮ナンバー制度は法律で定められているものです。
今回は、仮ナンバーを取得するにあたり、どのような申請手続きが必要なのか、どんな点に気をつけるべきなのかを11の疑問と題してご紹介していきます。
わかりやすくお伝えしていきますので、ご参考にしてみてください。
目次
仮ナンバーは、検査などの理由で車検切れのクルマを整備工場などに回送する場合に限り、例外としてその運行を認めるものです。
【出典 参照】 JAFクルマ何でも質問箱
仮ナンバーは公道を走れるようにする為のパスポートのようなものです。
こんな時に使います!
こういった状況の車を運転する際に、仮ナンバーが必要になります。
形状はナンバープレートそのもので、赤い斜め線が入っています。街で見かけたことがあるかもしれませんね。
一般者用の仮ナンバーです
赤が目立つので、赤ナンバー、などと言われたりもします。
ちなみに、赤ナンバーはもう一種類あります。
業者用の仮ナンバーです
赤い枠に囲まれたナンバーです。赤枠、ディーラーナンバーなどと呼ばれます。
こちらは自動車業者さんが使うタイプのもので、一般の人は使えません。
コラム 車検切れの車を運転したらどうなる?
車検が切れているだけなら問題はありませんが、公道で運転すると罪に問われます。道路運送車両法の無車検運行に違反していることになり6か月以下の懲役または30万円以下の罰金です。
またそれだけでなく、車検切れの車のほとんどが自賠責保険も切れています。自賠責が切れた車を運転すると自動車損害賠償保障法の違反になり、さらに罰則が追加されます。
加えて一年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
あなたがお住まいの区役所・市役所・町役場で申請をしましょう。よく勘違いしやすいのが、窓口を陸運局だと思ってしまうことです。
確かに陸運局でも扱っているのですが、こちらは自動車業者用の仮ナンバーです。一般の方は、役所が受付になるので注意しましょう。
手続きの正式な呼び方は、自動車臨時運行許可、といいます。区長(市長)の許可を受けて特別に運行できるようにするものであり、“あくまでも特例“という位置づけにされています。
無事に申請が通ると、仮ナンバーと臨時運行許可証がその場で交付されます。ちなみに役所側で提唱している運行事例は以下のようなものです。
申請では下記の書類が必要になります。
1)自動車を確認するための書類
自動車検査証や通関証明書、抹消事項証明書、メーカー発行の譲渡証明書など
いろいろありますが、シンプルに車検証(コピー可)を用意するのが簡単です。
2)申請する人の身元が確認できるもの
運転免許証や住民票、保険証、パスポートなど。
3)手数料750円(区域によって多少かわります)
4)印鑑(シャチハタなどNGです。法人の場合は社印か代表社印が必要です)
5)自賠責保険(原本。コピーは不可)
6)盗難の場合のみ、盗難届の受理年月日、受理番号、警察署名が必要です。
5の自賠責保険は注意しましょう。
役所の窓口で保険は取り扱っていませんから、事前に準備しておかなくてはなりません。
自賠責保険は、「自動車損害賠償保障法」という法律で加入が義務付けられている、自動車やバイクの保険で、正式名称を「自動車損害賠償責任保険」といいます。 事故が起こった場合の被害者の救済が目的の保険で、最低限の補償は自賠責保険から受けることができます。
【出典 参照元】 自賠責保険とは? Yahoo!保険
自賠責保険に加入しないと仮ナンバーは交付されません。理由は簡単で、自賠責保険に加入していないと公道を走れないからです。
これは臨時運行であっても同様です。法律で定められた強制加入ですから別名“強制保険”ともいわれています。車検が切れている車、抹消中の車は自賠責の有効期限も当然切れていますから、あらためて加入する必要があります。
もし事故をおこしてしまったら? 自賠責保険に入っていれば最低限の救済があるので万が一の時に役立ちます。任意保険とはまた別のものなので注意しましょう。
チェックポイント!
自賠責は事故の相手方の身体に関する補償です。
相手方の物、自分の身体、物に対してはたとえ損害を被っても保険金は支払われません。
車検を通すために仮ナンバーを申請する場合、そのまま25か月に加入するのがよいでしょう。
自賠責の契約期間は1か月単位で加入できますから、もし車の回送だけを考えるなら最短の1か月で契約するのが自然です。しかしオークションや個人売買で購入し、その自動車を所有するのであれば、その後のことも考える必要があります。
自賠責保険は長期になるほど割安になるため、1か月で契約すると割高になってしまいます。車の引取りで一度加入して、車検でまた加入してとなると2度手間になります。
また、費用もその分高くついてしまいます。車検を通すこともあわせて25か月で加入してしまう方がラクだしお得にもなるのです。
【自賠責保険加入の1か月と25か月の概算料金比較】
1か月 | 25か月 |
5000円 | 28780円 |
一方、仮ナンバー取得期間だけ加入したい場合は、最短5日間があります。(商品車扱い)
自賠責の加入は、お近くの自動車ディーラーや保険会社などで取り扱っています。
原則は使用する日の当日です。土日をはさむ場合や、早朝から使用する場合は前日でも借りられます。
(例 月曜日から使用→土日が閉庁日のため金曜日に受付)
よくあるケースが、『仮ナンバーを使うのは来週だが、時間が空いたので早めに今週申請してしまおう』というものです。
確かに効率を考えれば、先に借りておいたほうが何かと融通がききます。役所と実際に使う場所が離れている場合もありますから、時間的余裕も考慮すると前もって申請は済ませておきたいと考えるでしょう。
しかし、貸出は当日あるいは前日とほとんどの役所が定めています。このことを知らずにいると、あとから予定が狂ってしまいますので、忘れずに計画をたてましょう。
最長5日間です。
この5日というのは、許可がおりる期間です。(その後の返却には、期間経過後からさらに5日間の猶予を設けている役所が多いです。)
速やかに行動を促すために、窓口では最短の期間で借りるよう指示される場合もあります。
あくまで最長で5日間ですから、1日で終わると判断されると1日しか申請はおりません。
また、返却日が土日や祝日にあたるときは、守衛室などで対応していたりもしますから、担当の窓口に問い合わせてみましょう。遅い時間の返却も同様で、夜間受付を対応しているところもあります。
返却がない場合は、罰則が適用されることがあります。これは道路運送車両法で定められています。
道路運送車両法第35条第6号に違反した者として、同台108条により、6か月以下の懲役または30万以下の罰金に処せられることがあります。
出典 道路運送車両法
たとえば車検の整備などが長引き、貸出期間内に終わらなかったとしても、延長はまず認められません。いったん返却して再度申請する手続きが必要です。
申請したルート以外を走行することはできません。運行経路は意外とシビアに見られ、申請時も詳細に記入する必要があります。また、もし葛飾区で仮ナンバーを借りた場合は、必ずその経路に葛飾区を含まなくてはならない、といった地域ルールも定められています。
どこを走ろうとも確認できないから大丈夫だろう、と思うかもしれません。しかし、何らかの理由で警察などに止められたときには発覚してしまいます。申請した運行経路は必ず守りましょう。
定められた用途、申請が通った用途でのみ使用することができます。車検が切れているのだけど引っ越しで2日だけ使いたい、ドライブで使いたい、などの目的では当然、許可がおりません。
基本的に車検をとおすため、回送をするためなどに限られるのですが、曖昧な場合は管轄の役所に相談してみましょう。
実費で1500円程度の請求があります。
紛失が発覚した場合、まずは速やかに担当の窓口へ連絡をして、その後の指示を仰いでください。
基本的には車台前後のナンバープレートの位置に取り付けます。ナンバーがついていない状態なら特に問題はなくボルト止めで固定できます。
ちなみにボルトは貸出してくれませんから自分で用意しましょう。そのときにドライバーや10ミリレンチがあると便利です。忘れずに用意しましょう。
ナンバーがすでについている場合は少し事情が変わります。既存のナンバーを外してつければいいのですが、普通車には封印が施されています。
ナンバープレートの封印
封印とは、ナンバープレートを固定するボルト上に被せるアルミ製のキャップ状のもので、取り付け位置は車両後部のナンバープレートの左側と定められています。自動車がナンバープレートを発行する陸運局によって正式に登録され、しかるべき検査を受けた後、ナンバープレートを取得したという最終的な証となります。
【出典 参照】 JAFクルマ何でも質問箱
フロント部はボルトを回して外せばよいのですが、リヤ部のナンバーには封印があります。この封印は簡単に外すことができない仕組みになっていて、もしナンバープレートを取りたい場合はこの封印を破らなければなりません。
この理由からナンバープレートを外すことができません。既存のナンバープレートに重ねるよう、簡易的に針金を使ったり両面テープを使ったりと、うまく工夫して固定する必要があります。
ただし長時間の移動や舗装されていない道の走行で、落下してしまうリスクが無いとも言えないので注意が必要です。
リヤ部のナンバーの取り付けは、各役所によって対応が違います。
筆者が4~5件の役所に電話取材をしてみたところ、基本的には同じなのですが、突っ込んで聞くと見解には若干の違いが見受けられました。
一番緩いところだと、車内の見える位置ならOK(リヤガラスの内側)落下するよりは、、という返答もありました。
もちろん極力付けること、特にフロント部に関しては封印もなくネジ止めだけですから、面倒くさがらず仮ナンバーをとりつけるよう念を押されました。よくダッシュボードの上において走行している車を見かけますからね。
以上のことから、念のため申請時に“仮ナンバーの取り付け方“をよく確認した方がいいでしょう。
各自治体によって(あるいは担当者によって)取り付け場所の許容範囲に幅があるようですから、その指示を仰ぐのがベストです。
いかがでしたか?あなたの疑問はスッキリ解決されたでしょうか。
役所や保険会社との手続きが必要になりますが、けっして難しいことはないということがお分かりいただけたと思います。
申請のポイント!
最後に、仮ナンバーを返す時は、次の人が気持ちよく使えるように汚れをきれいに拭き取ってから返却しましょう。定められた規則を守り、是非あなたのカーライフに役立ててください。
廃車をするにあたって最初の一歩は『あなたの愛車の価格を知る』ことです。
おもいでガレージの問合せフォームから査定依頼をすると、あたなの愛車の価格がかんたんにわかります。廃車査定は現車を見せる必要がないのが特徴で、その場にいながら手軽に金額を知ることができるのです。
まずはお気軽に査定額を調べることから始めてみましょう!
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