廃車手続きをする自動車は、自動車解体業者(解体屋)により解体処分されます。
自動車は数多くの部品や素材で作られているため、その解体作業にはいくつもの作業工程があります。自動車がどのように解体されるかを知っている方は少ないのではないでしょうか。今回は、自動車はどのように解体され、どのような部品がリサイクルされているかご紹介します。
目次
廃車処分予定の自動車は、引き取ったディーラーや販売店、自動車修理工場などを経て解体屋に引き渡されます。解体屋は、持ち込まれた自動車からまず中古部品として再利用可能な部品を取り外します。
自動車には、タイヤやホイール、オーディオ機器など中古市場で取引されるものが多くあり、エンジンも中古部品として再利用可能です。取り外された中古エンジンは国内で再利用されるほか、海外にも輸出されています。
再利用可能な部品を取り外した後は、自動車リサイクル法で義務付けられているフロン類やエアバッグ類の取り外しが行われます。
最後に、タンクに残っているガソリンやエンジンオイル、冷却水などを取り除けば「廃車ガラ」の出来上がりです。
利用価値のある部品を取り除いた後の状態である廃車ガラは、プレスで圧縮してから破砕業者(シュレッダー業者)に持ち込まれます。もしくは、プレスした廃車ガラを電炉メーカーに鉄鋼原料として売却するケースもあるようです。
破砕業者に引き渡された廃車ガラは、シュレッダーマシンにかけられ破砕処理されます。10cmから20cm程度に破砕処理された廃車ガラに含まれているプラスチック類は、風力による吸引などにより金属類と選別されます。
さらに、磁選機と呼ばれる機械で磁力により細かな鉄類を除去した後に残ったダスト類が、「シュレッダーダスト」です。シュレッダーダストは、自動車リサイクル法で適正に処分することが定められており、自動車メーカーや自動車輸入業者へ引き取られ適正に処分されます。
プラスチック類を取り除いた金属類は、さらに磁力選別機で鉄と非鉄金属のミックスメタルに選別され、ミックスメタルからアルミ、銅、ステンレスなどを細かく選別して金属材料としてリサイクルされます。
解体屋によって廃車から取り出された再利用する部品は、「リユース部品」と「リビルド部品」に分類されます。
リユース部品は、再利用可能な部品を使用済み自動車から取り外し、洗浄・品質チェックを行い商品化した製品です。
フロントバンパー、フェンダーパネル、フロントドア、ボンネットフード、ヘッドランプ、フロントシートなどの外装・内装部品から、スピードメーターやバッテリーなどの電装部品、ターボチャージャーやセルモーターなどのエンジン部品があります。
機能部品には一定期間の品質保証が付きます。
リビルト部品は再生部品ともいわれ、使用済み部品を分解し、磨耗・劣化した部分を新品部品と交換し、再度組み立てて品質チェックを行った部品のことです。
エンジンやドライブシャフト、トランスミッション、ラジエター、エアコンコンプレッサーなど多くの部品があり、リビルドメーカーによる6カ月から2年の保証が付きます。
リユース部品とリビルド部品は、ともに解体車両から取り外した部品から作られ、新品部品よりもリーズナブルな価格で修理用として利用されています。
自動車の解体には多くの作業工程があり、解体作業によりさまざまな部品や金属類などがリサイクルされています。日本人は物を大事にする民族といわれており、廃車解体する車でも状態が良いものが多いです。
解体屋の仕事には、再利用できる部品を取り出して、リユース部品やリビルド部品の供給することも含まれます。解体屋は単純に自動車を解体するだけでなく、自動車リサイクル事業の一端を担っているのです。
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