ハイブリッド車や電気自動車などのエコカーは、普及も進み、仕組みなどもよくご存じの方が多いと思います。
一方、「水素自動車(燃料電池車/FCV)」については、他のエコカーと何が違うのか、どのような仕組みで走っているのか、など詳しく理解している人は少ないのではないでしょうか。
究極のエコカーともいわれている水素自動車。今回はこの水素自動車の仕組みと問題点についてご紹介します。
目次
水素自動車は、搭載した燃料電池で発電した電力を使用し、モーターを回して走る自動車です。電気自動車がバッテリー(蓄電池)に充電した電力を電源として走ることに対して、水素自動車は燃料電池内で水素と酸素の化学反応によって発電した電力を電源としている点が異なります。
ガソリンを燃料にするのではなく、水素で発電する燃料電池でモーターを回して走行することから、水素自動車(燃料電池車/Fuel Cell Vehicle〈FCV〉)と呼ばれています。
燃料電池は水素と酸素を反応させて電気を取り出します。中学校の化学の実験で、水に電気を通すと水素と酸素の泡が出てきたことを覚えているでしょうか?
燃料電池はこの反応の逆を行い、水素と酸素を化学反応させて電気を取り出し、水を排出します。
つまり、燃料電池は水素と酸素の化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機です。水素ステーションなどで補給した水素と空気中にある酸素で発電し、排出されるのは水だけ、それが「究極のエコカー」と呼ばれている理由です。
水素自動車の燃料ともいえる水素は、天然ガスやエタノールなど多様な一次エネルギーから製造が可能です。
そのため、従来のガソリン車と異なり石油に依存する必要がなく、走行中に二酸化炭素を排出しない点で環境性能が優れています。
燃料電池での発電は、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変えるため損失が少なく発電効率が高いこともメリットの1つです。
ガソリンエンジンのエネルギー効率は15%から30%といわれていますが、燃料電池はその2倍以上のエネルギー効率を実現しています。
さらに、燃料電池は災害時など非常時の電源として利用できる点もメリットとしてあげられます。
自動車としての走りも魅力です。モーター駆動のため滑らかで静かな走りを実現、発進からの加速もスムーズです。電気自動車と比較してもガソリン車と同等の走行距離があり、水素の充てん時間も3分程度と短いため使い勝手が良いことも水素自動車の特長です。
現状における水素自動車の問題点は、水素の性質にあります。水素は腐食性が高い気体で、爆発もしやすく取り扱いの難しい物質です。そのため、水素を輸送するためには専用のインフラを構築する必要があります。
さらに、水素自動車に水素を充てんするための水素ステーションの整備には、通常のガソリンスタンドに比べ5倍以上の費用がかかるといわれています。
このように、水素自動車が登場して間もない現在では、水素を供給するためのインフラの整備がまだまだ発展途上であることが問題点です。
さらに、水素自動車自体が非常に高額であることも普及への大きなネックとなっています。
しかし、水素ステーションは、国や自治体のバックアップもあり徐々に数を増やしています。インフラが整備されて利用しやすくなり、水素自動車も量産されてくれば価格も下がるでしょう。現在の水素自動車の問題点は、将来的に解決していくことが期待されています。
水素自動車は環境負荷が少ないという理由以外に、資源の少ない日本が将来直面するであろう石油枯渇問題に対応するためにも、開発と普及が進められています。
環境性能も走行性能も高い水素自動車が街中をたくさん走る日が来るのもそう遠くはないかもしれません。
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