「廃車を買い取ってどうするの?」
車の処分を考えている方は、このような素朴な疑問が浮かんでくるかもしれません。廃車を引き取ったところでボランティアにしかならないではないか、と。
もちろん利益になるからこそ、廃車業者は廃車を買い取っているわけですが、そのからくりを知る人は少数派でしょう。
そこでこの記事では、廃車業者が「廃車を買い取る理由」を、業者側が利益を出す方法に触れながらご紹介します。
業者側の視点を知っておくと、実際に車を買い取ってもらう際の参考になる部分も多いと思いますので是非ご一読ください。
目次
日本車は世界的に人気のある車が多く、ジャンルを問わず耐久性に優れているとされます。
ラリーなどの自動車競技でトヨタ・スバル・三菱などの日本車が採用されるのは、やはりその耐久性が少なからず評価されているからでしょう。
中古車の輸入が認められている国に対しては、中古車の輸出で利益をあげることができます。近年はインターネットの普及に伴い、各国での個人取引も増加傾向にあります。
国によって輸入のルールに差はあれど、全体的に東南アジアでの中古車市場は熱を帯びており、各国で中古車の効率的な取引ができるツールが運用されています。
また、マレーシアなどでは日本の中古車が人気を集めており、車に乗り続ける期間も長いことから、走行距離10万キロを超えた車が数多く取引されています。
今後、アジアで自動車を持つ個人が増えることで、乗り換えによって生まれた中古車を求める人がますます増加の途を辿るのではないでしょうか。
アフリカもまた、日本車を必要とする人が多い地域の一つです。都会化が進む国・都市が増えている一方で、鉄道やバスなどの公共交通インフラが十分に整わず、自動車のニーズは高い傾向にあります。
また、ハイエースのような「何でもできる・何でも運べる」車は、生活の糧として大いに利用でき、耐久性も高いため重宝しています。
東アフリカなど、日本と同じ左側通行の国が多いことも、日本からの車の人気の一つと考えられます。
ヨーロッパは、比較的欧州のブランドに人気が集まっている印象があるものの、日本車も健闘しています。北欧のフィンランドでは、トヨタ車が街中を走っていて、よく見るとすでに日本では走っていないような、古いモデルのカローラを見かけることもあります。
国民紙にも広告が載っており、国内で広くトヨタが認知されていることが分かります。世界の市場において、トヨタ車は多くの人に愛されているのです。
自動車を1台作るためには、万単位のパーツが必要で、それらが精密に組み合わさって車は走っています。もし故障で走れなくなったとしても、問題のパーツを交換・修理すれば、また走れるようになります。
さらに車を解体しても、各種部品は不具合がなければ再販でき、ボディなどの金属部分は資源素材として回収・売却できます。車の状態にかかわらず、1台の自動車からは、実に多くのものが再利用できるのです。
部品は様々な形で再利用でき、そのまま使える品もあれば、一度組み替えて使える品もあります。そして部品として販売すれば、利益を得ることができます。
大手企業・工場でも、再利用された部品が使われている例は多く、ドライバーとしては財布の面でも安心して修理を依頼できます。
仮に事故車・水没車であったとしても、それだけで買取を断ることはなく、その中で「何が売れるか・何が活かせるか」を考えているのが廃車業者なのです。
このような視点は、他の車屋にはない独特のもので、車をパーツとして換算する技術がある業者ならではの視点と言えるかもしれません。
もともと、パーツのほとんどが金属でできているバンパー・ボンネットなどは、そのまま使われることもあります。
それに加えて自動車のリサイクルにおける工程では、様々なパーツを分解したり、オイル・ガソリンなどを抜いたりして、どんどん車をスクラップにして行きます。
最終的に残ったものは「廃車ガラ」と呼ばれ、ここからシュレッダーマシンという機械にかけられ、破砕処理されてから金属類が選別されていきます。このような形で取り出された金属も、れっきとした取引の材料であり、廃車業者の売上となります。
特徴的なポイントとして、鉄・スクラップに関する販売は、自動車の歴史が問われないことが挙げられます。
一般的な中古車として販売しようとすると、どんなに状態が良くても「年式・走行距離」などの条件に価格帯が左右され、中には思うように売れない車も出てきます。
しかし、一度スクラップにしてしまうと、そこにはもはや車の面影はなく、どんな自動車も平等に金属として価値が付けられます。廃車業者の査定において、重要な目線の一つです。
車を今ある状態ではなく、解体した後の状態で考える視点は「価値の再定義」を行っていると言えるかもしれません。
乱暴な言い方をすると、パーツ・金属の取引ルートさえあれば、車にあるものはほとんど何でも売れるということです。だからこそ、廃車業者は「自動車として価値が見込めない車」にも値段を付けることができるのです。
車を細かく分解した目線で売れるものを探すのが、廃車業者の仕事です。ただ、それだけが廃車業者の仕事というわけでもありません。
まだ走るのか、もう走れないのか、国内の事情を踏まえて判断するのも、廃車業者の腕の見せ所です。続いては、買い取った車を国内で使うケースについてご紹介します。
日本における廃車とはいわゆる永久抹消だけでなく、一時抹消も含まれます。使わない車を処分する時、広く「廃車にする」という表現が使われますよね。
しかし廃車を想定してドライバーが売った車も、専門業者から見れば「まだ乗れる」とジャッジすることは十分あり得る話です。
オートオークションなどで評価点が高い車(車としての程度が良い)なら、市場のニーズには合致しなくとも乗用車として販売を考える業者は少なくありません。
また、そういう車を欲しがるドライバーも少なくありませんから、車をスクラップにしてしまう・海外に売ってしまうよりも、かえって利益が出る場合もあります。
日本でそのまま販売してしまうというのも、立派な選択肢の一つです。
仮に走行キロ数が20万キロを超え、ボディが満身創痍の車だったとしても、車検がまだ残っている車なら意外な金額で売れる場合があります。
というのも、自動車として売ることは難しくても、車検が切れていないなら、工場での営業車・代車として使うことができるからです。
もちろん代車用に中古車販売店などへ販売する方法もあります。一般ドライバーは買ってくれなくても、勝手を知っている業者なら、買い取ってくれる可能性はあるかもしれません。
車両価格を決める上で重視されるものの一つである「年式」は、やはり古ければ古いほど不利に働きます。ただ、コンディションが良く利用価値があるなら、一概にスクラップにしてしまうとは限りません。
こちらも、格安車両として販売しようと思えば、誰かが買う可能性は十分あります。どんな車も、買い取ってくれるルートさえ確保していれば、利益を出すことができるのです。
ディーラーなどに車を持って行くと、廃車費用を取られることがほとんどです。それは、ディーラー側が「車をパーツ・資源単位で売る」ノウハウを持っていないからです。
廃車で利益を出すノウハウを知っているからこそ、廃車買取業者は数多く全国で活動しています。せっかく車を処分するなら、ドライバーが少しでも得をするためにも、廃車業者に相談することを強くおすすめします。
廃車をするにあたって最初の一歩は『あなたの愛車の価格を知る』ことです。
おもいでガレージの問合せフォームから査定依頼をすると、あたなの愛車の価格がかんたんにわかります。廃車査定は現車を見せる必要がないのが特徴で、その場にいながら手軽に金額を知ることができるのです。
まずはお気軽に査定額を調べることから始めてみましょう!
おすすめ記事