もったいない、という言葉が、ある時から注目されるようになりました。 アフリカ(ケニア)の環境保護活動家、ワンガリ・ワータイが提唱したのが先駆けとされています。 彼女はこの分野で初めてノーベル平和賞を受賞しました。
この言葉の根底に流れる精神は、自然や物に対する敬意や、愛、リスペクトです。 従来からの、まだ役に立つものが無駄にされて惜しい、という額面通りの意味を超えて、 啓蒙という側面からも大きく考えられるようになったのです。
このような概念の言葉は、世界中を見回してもなかなか妥当なものがない、 あるいはしっくりはまるような、適当な、適切な単語が無い、と彼女は伝えています。
ワールドワイドな拡がりを見せた”もったいない”は、”MOTTAINAI”と表記され、 多くの人々に知られるようになっていきます。
目次
私たちおもいでガレージは、このもったいない、という一語に大きく影響を受けています。
ワンガリ・ワータイが提唱する、①まだ使用できるという物理的な観点、②環境や自然をリスペクトするという観点、 それにもう一つ、③精神スピリチュアルな側面
を加えた3要素を軸として私たちの理念は形成されました。
特に3番目の視点は、そのままおもいでガレージという屋号に集約されるように 私たちの考え方の根本として、成り立っています。
カーライフを共に過ごしてきた愛車には、ユーザー様の思い出がぎっしり詰まっているはずです。 その思い出を過去のものとして一緒に手放してしまう前に、 ありがとう、おつまれさま、という感謝、あるいはねぎらいの言葉を持つ時間があっていいのではないか。
私たちおもいでガレージは、車という大切なパートナーとの決別を、 意義のあるものとして捉え、尊重し、誠意をもって送り出したいと考えています。 廃車というゴールは、同時にスタートの場でもあるのです。
日本国内で1年間に廃車にされる台数は、実に500万台ともいわれています。何とも驚きの数字ですね。
以前から中古車業を営む私たちは、多くの車を買取りしてきました。 その中には、年式が古かったり、走行距離を走っていたり、多少凹んでいたり、と クルマ自体に多少の問題があり、査定がつきにくいものも数多く見うけられます。
しかし中には、え、これで査定ゼロなの?もう値段がつかないの!?、と驚くほど状態の良いものもたくさんありました。
査定イコール車の価値ではありますが、そのまま車の寿命と置き換えるのはいささか乱暴な結論ではないでしょうか。 価値とは商品としての価値であり、車が有する価値とはけっして言いきれません。
ちょっと手を加える事によって、車に新たな生命が吹き込まれ、再販の道が開ける可能性もあるのです。 それは例えば車検をとることかもしれませんし、あるいは板金修理をしたり、整備をしたりという事です。
いずれにせよ、査定がつかない、はいサヨウナラではあまりに短絡的な考えだと思います。 リユースの一環として、次に活躍する舞台を見つけてあげる事も大切だと私たちは考えています。
ところで、ステージといえば、みなさんは中古車の流通をどのようにイメージするでしょうか。 日本国内の中古車屋さんに並ぶというのが一般的な考えでしょう。
しかしそのほかに近年、海外に輸出されるケースが増えてきているのをご存じでしょうか。 その数は年間で100万台を超えるともいわれています。
私たちが廃車を買取りさせていただく背景には、このような海外販路の拡がりも理由の一つにあげられます。 年式が古いもの、走行距離が多いものも、国外ではまだまだ需要がありますので、 海外バイヤーの方々は、積極的に買い付けていくのです。
どのような国が日本車を持っていくのか見てみますと、 ミャンマー、UAE、ニュージーランド、などが台数多く輸出しています。
ほかにも、ケニヤ、スリランカ、ロシア、チリ、パキスタン、タンザニア、南アフリカ、
フィリピン、バングラデッシュ、モンゴル、マレーシア、ウガンダ、モザンピーク、
など多岐にわたっています。
途上国の割合が高く、基本的には右ハンドルの国です。 メイド・イン・ジャパンという言葉をみなさんは聞いたことがあるでしょう。 昔から日本製というだけで、信頼がうまれ、ブランドとしてもてはやされます。
さらに最近ではユーズド・イン・ジャパンという言葉も耳にするようになりました。 これは、日本で使用していたものなら、丁寧に使っていただろうから丈夫で長持ちするだろう、 という安心が信用をうみ定着してきた言葉です。
車に限らず、自転車やミシン、洋服、など、日本で使われていたものの人気は高いのです。 非常に海外の人から喜ばれるため、いろいろな中古品が輸出されるようになりました。
また、商用車やバスなどで日本語の看板が入った車をよく見かけますよね。 これは海外では、日本のものだ、という証明になるために、わざわざ消さないで乗っている人たちが多いそうです。
○○商店や○○食品といった商用バンや、○○幼稚園という漢字入りの車が普通に異国で走っています。 それほど日本の中古車は人気が高く、信用されているという証でしょう。 特に東南アジアや中南米、アフリカなどの途上国では、それらが顕著に見られます。
これまでスクラップするしかなかった車も、こういった販路ができることによって、 新しいステージが開けてきました。私たち廃車業者も、解体して鉄にするだけではなく、国内と海外の需要を見極め、新たな商売につなげる企業努力が一層、大切になってきました。
まさにグローバルな市場です。さらにインターネットの台頭でインフラが整い、なおさら世界の国境はなくなっています。車だけでなくあらゆる商材が、あらゆる国で活躍をする、そういった時代なのです。
もったいない、まだまだ使える、使いたい人がいる、だからお客さまが大切に乗ってきた車を預かり、次のステージへ運ぶ、その橋渡しの一端を私たちおもいでガレージがいたします。
そしてその際には、今一度、今までのカーライフをふりかえる機会をもってほしいと思います。 どんなところに行ったか、誰と一緒に乗ったか、時にはケンカしたり、笑ったり、会話をしたり。 いろんなストーリーが1台1台にあったことでしょう。
新車にのりかえるからサヨナラ、車検がくるからバイバイ、 でも一瞬でも立ち止まって、今までを思い返し、あんなことがあった、こんなことがあった、と そう思えるきっかけに私たちがなれれば、こんな素敵なことはありません。
ところで一言で廃車といっても、その定義は非常にあいまいです。
正式には一時抹消登録、永久抹消登録といいますが、みなさんはご存知でしょうか。 私たちが普段使う廃車という言葉は、実は非常に曖昧な面があり、ニュアンスで使っている節もあるのです。
たとえば抹消登録と検索してみてください。 難しい専門用語、業界用語が並んで、目がチカチカしてくると思います。
私たちも陸運局とは密接な関係で、日常の業務にきってもきれない縁ですが、 その全てを説明するとなると、難しい部分があります。 まして一般の方が理解を求めるようになると、なおさらハードルは高いと思います。
しかし、廃車をするとなると、この抹消という言葉が必ずついてまわります。 これをなんとなくでもイメージできるようになると、きっと安心材料が増すでしょう。
ざっくりでもよいので、そのニュアンスだけでも掴めるよう、この場で少しお話ししたいと思います。
ではまず、廃車とは何か、です。
これは値段がつかない査定0円のクルマ、という認識でよいかと思います。 あるいは状況によっては、そのクルマを解体する、という動詞で使われたりします。 (こちらのケースの方が多いかもしれませんね)
廃車買取というのは、一般的にはそういった値段がつかないクルマをいくらか金額をつけて買います、ということです。
ここで、なんで値段がつかないものに値段つけれるの?と素朴な疑問がわいてきます。 それは業者さんが以下のような行為(努力)で商売にするからです。
ポイントは、そのままではお金になりづらいものを、いろいろと手を施してお金にする、という点です。 業者さんの企業努力により、商品としてカタチを変えていくんですね。
さて、廃車をするにあたって”抹消”という言葉をよく耳にしませんか。
この理解を深めるには、クルマについてる車検証も同時にみていきましょう。 ちなみに、車検証とはクルマの身分証明書みたいなものです。
いつ生まれたの? 誰のものなの? 車検いつまでなの?
などの情報が記載された1枚の紙で戸籍のようなものです。
抹消は、こんなイメージでつかんでください。
“今、誰も持ち主いません”
これが抹消する、のざっくりした意味です。 “抹消します!”はそのまま、“持ち主無しに変えときます!”と訳します。
さらにこの“抹消”、いくつかパターンがあるのですが、 廃車を売る場合には、2つだけ覚えておくとよいでしょう。
①永久抹消・・・読んで字のごとくです。永久に地球上からサヨウナラ、です。
クルマ・・・潰してスクラップします。
車検証・・・安らかに眠りました、が記載された紙。
泣いても笑ってもこの処理をしてしまえば、この世に存在しない車になります。
②一時抹消・・・読んで字のごとくです。次の持ち主が見つかるまでは、このクルマは誰のものでもありません。つまり一時中断されていると思ってください。
クルマ・・・スタンバイ中。とりあえず“待ち“。
車検証・・・今は車の持ち主がいませんよ、が記載された紙。
廃車の場合、この抹消手続きをしないと、持ち主はあなた、という状態が続きます。 手放したのに、もし何かあったら自分に責任がかえってきますので心配になりますよね。 ですからすぐに処理をしましょう。
さて、実際の廃車の手続きですが、これがまた一般の方には非常にややこしいです。(のように見えます) めんどくさくもあります。 さらに、陸運局で行うのですが平日しかやっていません。
ですからここは業者さんにお願いするのがラクでいいかと思います。 ここで一つ大事なこと。 必ず抹消されたかどうか、を口頭ではなく、自分の目で確認しましょう。
抹消されている車検証のコピーをもらうのがベストです。 そこまできたら安心してよいかと思います。
もう一つ、よく耳にする車の名義変更についても少しだけお話ししておきます。
誰も持ち主がいない状態が“抹消“でした。 しかし次のユーザーさんがすでにいるのであれば、抹消する必要はないですよね。 ダイレクトにその方を持ち主にしてあげればいいのですから、行う手続きは“名義変更”となります。 (よく略して名変と言われます。)
クルマを手放す場合は、名変か抹消か、です。 これはつまり次のユーザーが決まっているかどうか、が判断材料の一つになるわけです。
さて、永久抹消をすると、その車は存在しなくなります。 そこでばらした部品やパーツを再利用していくことが、業界をあげて取り組まれています。 地球や環境を考慮したうえでのエコリサイクル活動です。
まず1台の車を考えたとき、その大部分は鉄や銅など資源として還元されます。 プレスされた鉄は、その容量で換算され専門業者さんと取引をされます。
ちなみに鉄の相場は、常に上下しており、世界規模の需要と供給から値段が決まってきます。
そのほか、タイヤ、アルミホイール、ガラス、エンジン、シート、ヘッドランプ、バッテリー、サスペンション 、コンデンサー、キャブレター、ミラー、コンデンサー、そしてボディーなど外装部分、 など、どんな部品でも再利用できるものは棄てずにいかしていきます。
もちろん、エアバッグや廃液、フロンガスなどは、環境に影響しないように 専門処理業者さんが、定められたルールのもとで回収して正しく処理を行います。
このように、たとえ車そのものが再販できなくても、中古パーツや資源として次のステージが用意されているのです。 ”もったいない”は柔軟に形を変えながら、再生の土台にしっかりと息づいています。
廃車をするにあたって最初の一歩は『あなたの愛車の価格を知る』ことです。
おもいでガレージの問合せフォームから査定依頼をすると、あたなの愛車の価格がかんたんにわかります。廃車査定は現車を見せる必要がないのが特徴で、その場にいながら手軽に金額を知ることができるのです。
まずはお気軽に査定額を調べることから始めてみましょう!
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