ガタガタっ!
ブルブルっ!
エンジンをかけてクルマで出かけようとしたとき、ハンドルが異常に大きく揺れたり音が鳴ったりして驚いたことはありませんか?
はじめは愛車の機嫌が悪いときに出る症状だったのが、月日を経ることにその回数は増え、ついには日常的に”いつもの”調子になってしまった。
点検や車検もきちんと出していたのに、おかしいなあ・・
実はこの症状はあなただけに起きた問題ではありません。長年多くのフィットユーザーが悩まされてきた症状なのです。
そこでこの記事では、この有名すぎるホンダ車の困った症状とその対策についてお伝えしていきます。自動車業界20年の筆者もこの時期に製造されたホンダ小型車(特にGD1フィット)を数多く扱ってきました。
そのうえで感じたことなども綴っていきますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
フィットに代表されるホンダ小型CVT車の”ガタガタ”は業界でも知れ渡っていて、通称『ジャダー現象』といわれます。
この現象はどんなに注意して運転していても、避けることは難しいです。なぜならこれは運転の方法やメンテナンスの頻度にかぎらずに起きてしまうことだからです。(もちろん定期的なメンテナンス、こまめなオイル交換などによってジャダーの発生を抑えられる可能性はあります)
ですからあなたのせいではありません。構造上ということはメーカー側の設計の問題ということになります。ハンドルが左右に大きく揺れると、その影響でタイヤも左右にブレてしまいますよね。症状が大きい場合は放っておくと危険ですから、早めに販売ディーラーや整備工場に相談したほうがよいでしょう。
初代のフィットは爆発的に売れ、近年の小型車セグメントの草分け的な存在になりました。そしてその台数に比例するように、多くの振動フィットが世に生まれます。
またフィットのほかにも、
など当時のホンダ小型車ラインナップが影響を受けました。
メーカーで指定されている『HMMF』という専用のCVTオイルを交換することで、ジャダー現象がおさまりやすくなります。
このHMMFはミッションオイルの仲間で、エンジンオイルとは別のものです。一般的には、AT車で6万km、CVT車で4万kmごとの交換が目安と言われています。
HMMFとは
ホンダ・マルチ・マチック・フルードの略。いわゆるCVTオイル、トランスミッションオイルで定期的な交換が必要です。
ジャダーが気になりだしたら、まずはミッションオイル交換、メーカー推奨のHMMFに交換しましょう。
ちなみにオイルを完全に交換するために、2回交換を基本としているところが多いです。オイル代は2倍かかってしまいますが、その分解消されやすくなるので、こちらをおすすめします。
●HMMF交換の費用(2回分 オイル代×2と工賃)
12000円~15000円
ジャダー解消法その1
HMMFオイルを交換する
HMMFオイル交換をしたあと、さらに添加剤を投与することで、より症状がおさまる可能性が高まります。
その添加剤とは『SOD-1』です。このSOD-1の特徴は
などがあけられます。
解消法その2
HMMFオイル交換のあと、添加剤SOD-1を投入
▶ SOD-1のメーカーサイト 有限会社D1ケミカル
HMMF交換後にミッション内部のスタートクラッチに新油を馴染ませます。この作業を当たりつけ、あるいはすり合わせと言います。
ただし、当たりつけをするうえで、アクセルを全開にふかす工程が何回かあります。これを嫌う人もいるため、賛否がわかれる方法になります。
当たりつけの方法はインターネットでもよく紹介されているので、ここでは一般的なものを参照しお伝えします。ご自分で作業されず販売ディーラーや整備工場に依頼する方は読みとばしてください。
当たりつけの手順
スタートクラッチに新油をなじませる
1 ブレークを強く踏みDレンジで3秒間アクセル
2 Nレンジで20秒間3000回転を保つ
3 ブレークを強く踏みDレンジで3秒間アクセル
4 Nレンジで20秒間3000回転を保つ
5 ブレークを強く踏みDレンジで3秒間アクセル
6 Nレンジで20秒間3000回転を保つ
実走行しスタートクラッチフィードバックメモリーの学習を行う
1 暖気をする
2 無負荷で60km/hからアクセルOFFで5秒以上
3 2を5回繰り返す
HMMF量を確認
レベルゲージのロア~アッパーの間に入るようHMMF量を調整する
参照) 整備士ノート
解消法その3
HMMFオイルを投入したあと、当たりつけを行う
上記の3通りの方法で解決しない場合は、振動の発生源になるスタートクラッチを部品交換します。
メーカーの保証が延長されて初度登録から7年または16万kmまでは無償で作業してもらえます。しかし、当時の年式から逆算して現在この期間内におさまる車種はほぼありません。
有償で6~7万円ほどかかると言われていますが、交換部品が広範囲にわたるときは、これに収まりません。整備の方によく話をきいたうえで、まずは見積もりをとるとよいでしょう。
解消法その4
オイル系で効果がないときは、部品交換
初期GD1のフィット
4つの方法に渡ってジャダー解消法をお伝えしてきました。この方法をとることにより、多くのケースで改善がみられてきています。
しかし、個々の車両にはそれぞれ個体差があり、最悪の場合どれを試してもまったく治らない、ということも普通にあるのでその点はご留意ください。
特に症状が悪化してからではHMMFを使用しても、ほぼ効果は見込めません。また、よしなおった!と思ったのもつかの間ですぐに再発してしまった、という話しもよく耳にします。(筆者のまわりではほぼこのパターン)
いろいろと試してもダメな場合は、代替えを考える機会なのかもしれませんね。
このころのホンダ車にジャダーの症状が出やすい、という事実は業界では誰もが知るところです。
査定を依頼すると、まっさきに
”ハンドルのブレや大きな異音がありませんか?”
と聞かれます。
ここでとぼけても、すぐにばれてしまうので正直に答えたほうがよいでしょう。もちろん残念ながらジャダー現象はもろに減点の対象です。
たとえば初期のフィットでも走行距離が少ないと輸出にからみ、それなりの値段がつくことがあります。しかし、海外に渡るうえでもジャダーの有無は必ず確認されるポイントです。
国内にかぎらず、海外の中古車市場でもこのジャダー現象は敬遠される傾向にあるのです。
ちなみに廃車買取専門店おもいでガレージではジャダー現象のフィットも買取をしています。おもいでガレージの過去の廃車買取実績を公開していますので参考にしてください。
★【参考】おもいでガレージのホンダ・フィットの過去の廃車買取実績公開中!>>
いかがでしたか。ホンダ車特有のジャダー現象についてお伝えしてきました。
ハンドルの振動や異音が気にならない程度であっても、長く乗り続けるなら、早めに手をうったほうがよいでしょう。まずは付き合いのあるホンダディーラーに一度相談をしてみてはいかがでしょうか。
先方も何度もこのジャダーについての対応をしてきているはずなので、あなたにあった適切な処置を教えてくれます。
またこのままガマンして乗り続けるという方は、その振動の大きさに注意してください。あまりにそれが大きくなると、ハンドルの揺れがタイヤにも伝わり、思わぬ事故をおこしてしまうこともありえます。
いずれにしましても、一度プロの目に判断してもらうと安心できるかもしれません。そのときはぜひこの記事を参考にしていただき、ある程度の予備知識を持ってのぞまれると話しがスムーズですよ!
廃車をするにあたって最初の一歩は『あなたの愛車の価格を知る』ことです。
おもいでガレージの問合せフォームから査定依頼をすると、あたなの愛車の価格がかんたんにわかります。廃車査定は現車を見せる必要がないのが特徴で、その場にいながら手軽に金額を知ることができるのです。
まずはお気軽に査定額を調べることから始めてみましょう!
おすすめ記事