山道で運転をするときに気をつけなくてはならないことは何でしょうか?
そう、フェード現象です。運転免許をとるときに教習所で習いましたよね。ではこの内容、あなたは覚えていますか?
フェード現象とは
自動車やオートバイでの走行中に摩擦ブレーキを連続使用した結果、ブレーキの効き(制動力)が低下すること。
参照 Wikipediaより
ブレーキが効かないって相当恐いことですよね。筆者は現実に経験したことは一度もないのですが、なぜか夢の中では何度も遭遇しています。(なぜでしょうか・・)
下りの坂道で、何度もブレーキを踏んでいるドライバーは本当に危ないです。もしフェード現象が起きてしまったら、それこそ大事故につながる恐れもあります。実際に、バスやトラックがニュースになった事故は何度も起きています。
運転には自信がある!首都高の合流だって余裕だし!
いえいえ、山の運転はまったく様相が違います。もしあなたが街乗りを中心に日ごろ運転をしているなら、これを機にフェード現象について改めて見直してみてはいかがでしょうか?
この記事ではフェード現象がおきる原因や対策、そして実際に起きてしまったときの対処法などをご紹介していきます。初心者でもわかるようシンプルにお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
フェード現象とは下り坂などでブレーキを連続してふむことで、ブレーキの効きがだんだん悪くなる現象のことをいいます。
【かんたんなフェード化までの流れ】
下り坂で摩擦ブレーキを連続使用
↓
摩擦材に使われているゴムや樹脂が加熱
↓
さらに連続してブレーキ使用
↓
ゴムや樹脂が耐熱温度を超える
↓
摩擦材が熱で分解されガスが発生
↓
そのガスがブレーキローターの間に入りこむ
↓
ガスの膜がすべりやすい潤滑剤になる
↓
摩擦係数が低下
↓
制動力が低下
↓
ブレーキを踏んでも効かない!
このように、ブレーキを多投することによりフェード現象が生じます。
カーブがきつくアップダウンの激しい勾配が続く山道ほど、フェード現象は起こりやすくなります。さらに人や荷物を多く乗せていたり、気温が高かったりと条件が重なると要注意。それだけブレーキを酷使することになります。
ブレーキ酷使!フェードの起きやすい条件
フェード現象がおきた状態で、さらにブレーキを酷使していくとペーパーロック現象になります。
ペーパーロック現象とは
自動車のフットブレーキが過熱した際、伝達経路である液圧系統内部に蒸気による気泡が生じることをいう。この状態でブレーキペダルを踏んでも、気泡が圧力を吸収してしまいブレーキは効かない。
参照 Wikipediaより
要は、フェード現象のもっと深刻バージョンということです。
ペーパーロック現象 をかんたんに言うと
フェード現象が悪化した深刻バージョン。ここまでくるとブレーキは効かない。
なぜペーパーロック現象が起きるのか、その流れをわかりやすく説明します。ですがその前に、ブレーキフルードの役割を知っておくと理解が深まります。
ブレーキフルードとは
ブレーキペダルを踏んだ力をブレーキパッドに伝えるための液体
【ペーパーロック現象になる流れ】
下り坂でブレーキを酷使
↓
ブレーキが熱をもつ
↓
この熱でブレーキフルードが沸騰
↓
中に気泡ができる
↓
ブレーキペダルを踏む
↓
気泡を押しつぶすだけ
↓
ブレーキの圧力が伝わらない!
(液体だけなら潰れないので効率よく伝わるのですが・・)
↓
ブレーキが効かない
もしこのような現象が起きてしったらどうすればいいか?これはもうとにかく冷やすしかありません。
フェード現象が起きたら、とにかく冷やすしかない
理想はゆっくりと走りながら、自然の風で冷やすという方法です。ブレーキが風にあたってとても冷却効率がよいです。しかし、ご紹介をしといてなんですが、この方法を現実に行うのは難しいでしょう。なぜならフェード現象が起きる場所は、だいたいが山道やワインディングロードだからです。
ここでゆっくり走るには、ブレーキをかけっぱなしにするしかありません。(ブレーキをかけないとスピードが出てしまいますよね)ブレーキを冷やすためにブレーキを使う、という矛盾した方法になってしまうので、そういった意味で厳しいのです。
ではどうするか。脇道や路肩に止めて、元の温度に戻るまでクルマを休ませるのがベターです。感覚的に30分から40分ほどで常温に復活するでしょう。
安全な場所にクルマをとめて30~40分ほど休ませる
てっとり早く冷やすために、冷水をかければいいのでは?と考える方もいるかもしれません。
しかしこの方法はNG。絶対にやめましょう。たとえば高温で真っ赤になった鉄に水をかけるとどうなるでしょうか。急激な温度変化で物質が歪んでしまいますよね。
ローターも一緒です。歪んだりクラックが入ったりする可能性もありますから、必ず自然の風で冷やすようにしましょう。
冷やすために水をかけてはいけない
下り坂の走行は、エンジンブレーキを使って減速することをこころがけましょう。これは教習所でも習った基本中の基本の走り方ですよね。
エンジンブレーキとは
エンジンの回転を利用したブレーキ。アクセルを踏まないと回転数が落ちて、自然に制動力がはたらき原則する。
運転のうまい人はエンジンブレーキを効果的にくみあわせて減速をします。AT車の場合はドライブモードからマニュアルモード、2速あるいはLレンジにいれましょう。
またアクセルを踏まないだけでもスピードは弱まります。これらを組み合わせて運転していくのが山道走行のコツです。
ブレーキランプの視認
エンジンブレーキを使うと、減速はしますがブレーキランプはつきません。したがって自分の前後を走行しているクルマとの車間距離には十分に気をつける必要があります。
前方を走るクルマとのリスク
車間距離を詰めて走るクセはありませんか?山道ではエンジンブレーキを中心に減速するドライバーがほとんどです。自分で間合いをはかって運転しているつもりでも、ちょっとした油断で相手の減速に気づくのが遅れ、思わぬ衝突事故を招きかねません。必ず安全な距離を保って走行しましょう。
後方を走るクルマとのリスク
後ろにびったり車間を詰められてしまった場合も同様です。この場合は衝突されてしまうかもしれません。すみやかに左によけて道を譲ってしまいましょう。
譲るは一瞬のイラつき、譲らぬは道中つきまとうイラつき
いかがでしたか。フェード現象について原因と対処法をお届けしてきました。山道はとにかくスピードを抑え、減速はエンジンブレーキを使うことが大切だとお分かりいただけたと思います。最後に一つだけお伝えしたい注意点があります。(これは筆者もよくやってしまうことなのですが。)
フットブレーキを多用するとフェード現象につながる。この事実は多くのドライバーも周知のことでしょう。しかし、その意識が強すぎると逆に危険を招くこともあるのです。
それは、”なるべくブレーキを踏まないぞ”と変に構えてしまい、ブレーキをガマンしてしまうことです。たとえば、このスピードならブレーキをふまなくてもカーブを曲がり切れる、と目測をたてコーナーに進入していきます。
しかし実際にはなかなかRがきつく、減速がおいつかないまま外に振られてしまった。いつものブレーキのタイミングがずれることから招いてしまうリスクです。これでは本末転倒ですよね。
そうならないためにも、フットブレーキとエンジンブレーキを適切に使い分け、正しい山道の走行感覚をつかんでいきましょう。それでは、この記事でお伝えしてきたことをぜひ参考にしていただき、安全で快適なセーフティドライブを心がけてください!
廃車をするにあたって最初の一歩は『あなたの愛車の価格を知る』ことです。
おもいでガレージの問合せフォームから査定依頼をすると、あたなの愛車の価格がかんたんにわかります。廃車査定は現車を見せる必要がないのが特徴で、その場にいながら手軽に金額を知ることができるのです。
まずはお気軽に査定額を調べることから始めてみましょう!
おすすめ記事