仕事の帰り道で気が緩むと、ふとした瞬間に眠気がやって来る……
高速道路を運転中、緊張感がないのでどうしても睡魔に襲われる……
出張・旅行中など、長距離運転ではついつい眠気に襲われてしまったというドライバーも多いのではないでしょうか。しかし、居眠り運転したまま天国までドライブというのは、全く笑い話になりません。
眠気は生理現象の一つであることから、どうしても避けられない一面はあるものの、事前に眠気が来ることを想定して対策を講じることも可能です。この記事では、眠気がどのように引き起こされるのか、そのメカニズムと効果的な眠気覚まし対策についてご紹介します。
目次
睡魔が運転の邪魔をしないように、まずはどんな状況下で人間は睡魔に襲われるのか、眠気が生まれるメカニズムについて知っておきましょう。
ドライバーの多くは、何となく思い当たる節はありそうなものですが、深く掘り下げると意外な一面が見えてきました。
人間は、全く理由なく眠気を感じることはありません。どんなにささいなことであったとしても、何かが起こるにはそれ相応の理由があるものです。
ドライブ中に眠気を感じる理由として多いのは、以下の2つです。
これらは、いずれも理解できるところではあるものの、理由を説明するにはこれだけでは不十分です。少し掘り下げて考えると、その原因は「疲労」によるものと「生体時計」によるものとに分かれます。
まず、運転を長く続けて疲れたケースで言えば、脳は周囲の安全確認を怠らず、身体は絶えず正しく車を運転するための動作を行っています。運転を続けることで、脳・目・腕・足・腰などが疲労を感じ、次第にその疲労を回復しようとして、脳は身体に休息することを命令するようになります。
この機能は、ヒトの身体の環境を快適かつ一定化した状態に維持する「恒常性維持機構」と呼ばれ、特に脳の休息を促す目的があります。
これに対して、人間の生体時計が関係している場合もあります。慢性的な寝不足・起床後からかなりの時間が経過しているなど、スタートの段階で十分な睡眠がとれていない場合も、脳はそのような状態を警告して回復を促します。
眠気とは、身体を休めるよう優しく諭す、脳の親心だったわけですね。
運転中に眠気をもよおす理由には、ドライバー自身に直接の問題があるケースもあります。一例を挙げると、SA・PAなどで食事をとることはドライバーにとって珍しくありませんが、食べる量・タイミングには注意しなければなりません。
特段健康に異常はなかったとしても、ご飯・パン・めん類などの糖質を摂取すると、その量によっては血糖値を急激に上昇させる可能性があります。これは、脳の覚醒・睡眠に関係する「オレキシン」という物質の影響によるもので、原始時代の本能「食べ物を探す」行為に関係しているものと考えられています。
食べ物を探すということは、時に人間の天敵と戦うという、危険な行為を意味します。戦っている最中はかなりの緊張状態に置かれ、そのような状況下ではオレキシンの働きが強まっています。やがて戦いが終わり、食べ物を食べて満腹になると、しばらくは食べ物探しをしなくてもよく、オレキシンの働きも弱まります。
つまり、人間は食べ物を食べるとオレキシンの働きが弱まって眠気を催す傾向があり、そのスイッチとなるのが血糖値というわけです。
運転中に眠気をもよおす場合は、必ずしも疲労ばかりが原因とは限りません。実際には疲れというよりも、刺激が少なくて眠気を引き起こすケースもあるのです。
代表的なものが高速道路の運転です。高速道路の運転中は、基本的にまっすぐな道路・なだらかなカーブを走り続けるため、どうしても単調な道を進むことになります。すると、五感で感じられる刺激が少なくなり、脳もまた緊張感が得られず、結果的に眠気へとつながりやすくなる傾向があります。
農道や車の少ない直線道路など、全体的に刺激の少ない環境で車を走らせる場合は、突然の異変に対応するスピードが遅れがちです。それに伴い、判断能力も鈍ります。
動物が目の前に現れたとき、すぐに車のそばを離れるとは限らず、一度車の前で止まるかもしれません。あるいは、誰かが自分の都合で横断歩道ではない道を自転車で突っ切ろうとするかもしれません。
危機管理意識は、単調な運転が続くほど薄れやすくなります。それを自覚した対策を講じることが、全てのドライバーに求められます。
眠気をそのままにして運転すると、事故のリスクが高まります。また、眠気が生理現象である以上、意識して防ごうとしても、知らず知らずのうちに睡魔に襲われてしまうケースはよくあることです。
眠気を防ぐには、人間は必ず運転していると眠くなることを自覚して、こまめに対策をとることが大切です。ここからは、誰でもその気になれば簡単にできる、眠気を防ぐための対策についてご紹介します。
まずは、運転する前・出発前・休憩時にとれる対策について、いくつかご紹介します。一度だけ対策を講じればOKというわけではなく、運転を続ける限り、こまめに対策することが肝心です。
身体を動かしてみる
ハンドルを握る前に、車外で身体を大きく動かすと、運動効果で頭がスッキリします。道の駅・SA・PAなどであれば、遊歩道スペース・野外ベンチなど、十分なスペースが確保されているところも多いので、できるだけ気持ちよさを感じる程度に身体を動かしてみましょう。
シートで横になる
眠気を感じた段階で、少しだけ仮眠をとるのもよい方法です。15~30分という短い時間でも脳を休ませることはできるため、できるだけ眠気をごまかさず、眠いときはしっかり寝ることが大切です。
素早く目覚めるためのテクニックとして、ブラックの缶コーヒーを1本飲んでから仮眠をとると、惰性で眠くなる症状を緩和できます。これはコーヒーナップと呼ばれ、仮眠カフェなどで推奨されている方法のため、コーヒーが苦手でない方にはおすすめです。
冷たい水で顔を洗う
顔を冷たい水で洗うと、その刺激で気持ちが引き締まる経験をした方は多いと思います。これには「潜水反射効果」とよばれるもので、顔に水圧・冷たい刺激を感じることで、脳と心臓に血液が集まる身体の反応を応用したものです。
水中で息ができない状況と脳が勘違いして、臓器を守るために血液が集中し、その結果集中力が戻るというメカニズムです。水を使うのが難しい場合は、冷却感のある洗顔シートで代用するのもよいでしょう。
続いては、身体に負担をかけずに、運転中の眠気を防ぐ対策法をご紹介します。
ちょっとの心がけでできることばかりなので、ぜひ積極的に取り入れてみてくださいね。
ガムを噛む
昔からドライバーの眠気を防ぐために一役買ってきたのが「ガム」です。眠気防止としては、清涼感の強い、いわゆる辛口のガムが多くのドライバーに人気のようです。
もともと、食べ物を咀嚼する行為は歯の中にある血管を圧縮するため、血液を脳に送り込む効果が期待できるものです。よって、口をクチャクチャ動かす行為によって、ある程度眠気を妨げることが可能です。
コーヒー・お茶を飲む
喉を潤しながら眠気を覚ますなら、カフェインが含まれるお茶・コーヒーがよいでしょう。仮眠前に飲むだけでなく、運転中に飲んでも効果は発揮されるため、休憩ごとに飲むと気分転換になるはずです。
窓を開けてみる
悪天候でなければ、エアコンの風だけでなく、窓を開けて外気を積極的に取り入れてみましょう。風を肌で感じることにより、気持ちがリフレッシュされ、長い運転時間の間に失いかけていた「運転している感覚」を取り戻せます。
いくつか対策を講じても、やはり頑固に眠気が脳に居座ってしまうことは珍しくありません。
このような場合は、やや強い刺激を与えることで、休憩所・目的時までの集中力を取り戻すことができます。
好きな歌があるなら、運転している間、その歌を徹底的に練習しましょう。同乗者がいるなら、楽しい会話で盛り上がりましょう。
車の中は密室ですから、どんなに音痴だろうが、変な歌だろうが、誰も聴いていません。脳を刺激するには能動的に身体を動かすことが大切ですから、ぜひ意識して声を出してみてください。
歌うのは苦手だけど音楽を聴くのは好き、という方なら、興奮するような激しい音楽を聴きましょう。音楽には「行動誘導」という効果が期待できる側面があり、ビートがはっきりしているダンスミュージックなどは、思わず身体が動き出すように感じられます。
ヒップホップが好きな方は、ビートだけを流して自分で好き勝手にラップするのもよいでしょう。トラックドライバーが聴いているようなバリバリの演歌も、感情移入できるならおすすめです。
どうも音感はないんだよな……という方は、自分の好きなラジオ番組を聴くことをおすすめします。仮に、運転している時間にその番組が放送されていなかったとしても、アプリによっては過去の放送をさかのぼって聴ける機能を備えているものもあるため、気に入ったものを選ぶとよいでしょう。
注意点としては、思わず聴き入ってしまうと周囲への注意が散漫になってしまうおそれがあるため、お気に入りの番組だけを聴かず、交通情報などもたまに耳に入れるようにしましょう。
眠気は、人間の身体を守るために必要な、脳の親心と言えます。しかし、親心も度が過ぎれば子をダメにしてしまうように、睡魔を放っておけば命の危機に発展するおそれがあります。
脳に適度な刺激を与えつつ、時には休憩・仮眠をはさんで、セーフティードライブを心がけてくださいね!
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