長く車に乗っていると、おそらく一度は『ラジエーター』という名前を聞いたことがあるはずです。このパーツは、走行しているときラジエーターに風が通ることで冷却水が循環し、エンジン部分を冷却する非常に重要な働きをします。
寿命はおよそ10年と言われており、車の買い替えを検討する時期とほぼ同じです。よって、人によっては一度も交換することなく終わるパーツなのですが、例外的に不調をきたすことがあり、その場合は水漏れなどがシグナルになります。
そのまま放っておくと、エンジンの冷えが悪くなってオーバーヒートし、最悪の場合走行不能となります。
できる限り早い段階で気付き、正しい対処法を用いることで、すぐにエンジンを守ることができますから、年式の古い車・10年以上乗っている車の場合は、もしものためにケア方法を覚えておいてくださいね!
目次
車を駐車場などに駐車しているとき、その下のアスファルトを見ると、大きくシミができている場合があります。
このとき、エアコンを使っていたようであれば問題ない場合もありますが、はっきりと色が付いている場合、ラジエターからの水漏れを疑ったほうがいいでしょう。
ラジエーターは、冷却水と呼ばれる水を使ってエンジンを冷却する仕組みになっています。
クーラントなどと呼ばれますが、このような水には、分かりやすいように大抵色が付いています。
赤・緑・青といった色があり、性能に応じて赤・緑はロングライフクーラント、青はスーパーロングライフクーラントといった呼ばれ方をすることもあるようです。
ただ、これは「青はスーパーロングライフクーラントが多い」といった商品数の多さが関係しているだけであり、赤(ピンク)色のスーパーロングライフクーラントがトヨタ純正品として売られていることもありますから、あまり気にしなくてよいでしょう。
そういった理由から、ラジエーターから水漏れがしている場合、ほぼ間違いなく色が付いています。
エンジンの下に水ジミが見えたら、念のためラジエターを疑いましょう。
冷却水は、甘い匂いがします。
そのため、水漏れが起こっていた場合、車内外で甘い匂いを感じることが多いです。
もちろんこれは砂糖が入っているわけではなく、冷却水の主成分である「エチレングリコール」の性質によるものです。どうして水を使わないのかというと、普通の水を使うことで、錆が発生したり水が凍ってしまったりするからです。
そこで、防腐・防錆・不凍という3点セットを備えた冷却水を使います。普通の水と違って匂いで気付けるので、原材料として採用したのは、問題発生を分かりやすくするための工夫の一つと推察されます。
ちなみに、エチレングリコールは甘いですが、当然体内に入れることはできません。少量の飲料でも極めて強い中毒症状を引き起こし、最悪死に至ります。
小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、水漏れが発覚した時点でエンジンの周囲に近づけないよう、十分に注意してください。
寒い時期・天候状況などによっては、水漏れ・匂いに気付きにくい場合もあるでしょう。
普段からエンジンルームをチェックする習慣があれば、エンジンの周囲に白い跡のようなものが付いていないかどうか確認してください。
より分かりやすいのは、エンジンルーム内にある「リザーブタンク(リザーバータンク)」の、冷却水の残量です。色が付いた水が入っているタンクなので、比較的分かりやすいと思います。
タンク自体に「UPPER」と「LOW」の表示がなされており、その中間に水がたまっていれば問題ありません。しかし、明らかに水が減っている場合は、水漏れを疑った方がよいでしょう。
リザーブタンクの役割ですが、こちらはラジエーターを冷やし続けるために用いられるパーツです。ラジエターが熱くなったら冷却に使った冷却水をタンクに戻し、逆に冷えたらもう一度ラジエーターに次回冷却するための冷却水を戻します。
人間社会で言えば、無利子の銀行と言えば分かりやすいかもしれません。必要な時にお金を貸して、用事が終わったら顧客が銀行まで返しに来る。銀行がラジエーターで、顧客がリザーブタンク、あるいはその逆でも関係が成立します。
ちなみに、リザーブタンクがない車両は、エンジンが冷えている時にラジエーターに付いているキャップを外し、水の量を点検します。多くの場合、エンジン前面中央にツマミのようなものが付いているので、それを開けて残量を確認する形になります。
開けたとき、水が見えなければ補充しますが、水面がキャップの近くにあるなら無理に補充しなくても大丈夫です。
どうやら水漏れしていることは間違いない……そうなったら次はそれを止めなければなりません。しかし、パーツのどの部分が傷んでいるのか、修理で済むのか交換になるのかなど、色々と不安があるはずです。
そこで、ラジエーターの水漏れに気付いたときは真っ先に何をすべきなのか、いくつか気になる点をまとめてみました。
自宅で気付いた場合は、おとなしくディーラー・工場に運ぶという方法もあるのですが、応急処置程度ならカー用品店でも可能です。
カー用品店では「水漏れ防止剤」というものが販売されており、これをラジエーターに注入することで、少量の水漏れなら止めることができます。
現行で販売されている水漏れ防止剤の種類は、大きく分けて以下の2種類です。いずれの場合も、何らかの形でピンホール(針で開けたほどの小さな漏れ穴)を埋める用途で用いられます。
・冷却水の粘度を上げるタイプ
・化学反応を利用するタイプ
このうち、化学反応を利用するタイプは、細かく分けると繊維粉型・微金属粉型に分かれるため、結果的に3種類に分かれます。車の種類に応じて使い分ける必要があるため、利用する前に対象車種を確認しておくと安心です。
旅行の際などは、工場に預けるわけにもいきませんから、覚えておくと役に立つはずです。もちろん、いつまでも効果が続くわけではありませんから、時期を見て修理に出すことをおすすめします。
応急処置を試してみたけど、やっぱりどうも減りが早いという場合は、冷却水を継ぎ足しながら走る方法があります。知識がある人なら、自分で冷却水を抜いた後で新たに入れ直すこともできますから、理論上は継ぎ足して走ることも可能です。
こちらも、応急処置の延長線上にある方法ですから、決して万能ではありません。ただ、水漏れ防止剤を入れても止まらない場合に備え、外出先・旅行先でトラブルに遭遇した際は、念のため冷却水も購入しておくとよいでしょう。
安いものであれば、ペットボトル1本分で補充用クーラントが売っていますし、大きなものでも1,000~2,000円程度とお手頃です。
あまりおすすめできる方法ではありませんが、最後の手段として「水道水を冷却水代わりに使う」方法もあります。山道で水漏れに気付き、かなりの量が減っている場合に、一時的に使う方法です。
道の駅などに車を停めているなら、トイレなどで水を汲み、ラジエーターの中に入れて走ります。メカニズムは冷却水も水道水も同じなので、エンジン自体は冷えるのですが、車内の各パーツにダメージを与えてしまいます。
ちなみに、ややマニアックな話をすると、水道水を入れた後もそのまま走り続ける方法がないわけではありません。車の下部から見える、ネジ穴のような「ドレン」という箇所をゆるめて水道水を抜いた後、希釈タイプの冷却水を入れるとそのまま乗り続けられます。
ただし、これは専門的な技術が必要になりますし、水道水を入れることで車にダメージを与えることには変わりないため、本当に最後の手段でお願いします!
冷却水のメンテナンスをしていないと、ラジエーターが腐敗していくことをご存知でしょうか。これはタンク部分が樹脂でできていることが原因で、劣化した冷却水がダメージを与えていきます。
普通車で8~10年ほど、軽自動車ではもう少し早く6年くらいから寿命を迎えると一般的には言われています。しかし定期的なメンテナンスを怠ると、劣化がどんどん進行しさまざまな悪影響をおよぼします。
その他にも、高圧洗浄機を至近距離で受けることにより、損傷するケースもあります。
ラジエーターの交換費用は、ラジエーター本体かそれともタンクの部分かなどによって金額が異なります。ラジエーター自体だと1~2万円ほどで、タンク部分は少し跳ね上がって2~3万円程度が目安です。
また正規の純正部品かそれとも社外の部品かによっても、かかる費用は変わってきます。輸入車や高級車などはさらに単価もあがりますから、工賃もふくめ割高になることを注意してください。
このようにラジエーターを交換する際には、状況や車種によって金額に幅が出てきます。事前にある程度の費用感をもったうえで依頼するようにしましょう。
ラジエーターは、熱くなるエンジンを冷ます、大切なパーツです。
しかし、持ちが長く普段はあまり意識しない箇所なので、いざトラブルを抱えたときにアタフタしがちです。どんなパーツも、経年劣化は必須です。
ラジエーターの水漏れも同様ですから、異変に気付いたら応急処置を施し、長く乗り続けるためにも早めの修理を心がけてくださいね!
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