ドライバーが車を運転する際、必ず加入するものの一つに「保険」があります。保険は主に2種類で、自動車保険・自賠責保険です。
ベテランドライバーなら、それぞれの違いを多少なりとも知っているものですが、これから免許を取ろうとする人・ペーパードライバーの中には、あまり保険について詳しく知らない人もいるはずです。
そこで、この記事では自動車保険・自賠責保険の違いについて、それぞれの保険がカバーできる範囲についてご紹介します。
目次
自動車保険・自賠責保険を比較して見ると、ドライバーが義務として加入すべきものか、それとも任意で加入すべきものかという違いがあります。特に自賠責保険は、強制保険の名の通り全てのドライバーに加入義務がありますから、決しておろそかにはできない保険です。
自賠責保険は、自動車を購入した段階で、ほとんど自動的に加入するタイプの保険です。車検を通す際も加入が必要になり、事実上の強制保険となっています。
法律の面でも、「自動車損害賠償保障法」によって加入が義務付けられています。仮に、自賠責保険が切れた状態で一般道を走行した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となり、さらには違反点数6点が付加されるため免停を受けます。
そして、自賠責保険証明書の携帯なく自動車を運転した場合、30万円以下の罰金となり、庶民には非常に重い措置となります。ただ、自賠責保険は一律加入が求められることから、保険の取扱会社・代理店によって保険金に違いがあるわけではありません。そのため、損害保険会社・自動車販売店などが主な窓口となります。
ドライバーの実質的な義務となる自賠責保険と違い、自動車保険は任意保険ですから、加入するかどうかはドライバーの自由です。
しかし、実際には大多数の人が任意保険に加入しており、自賠責保険・地震保険の基準料率を算出している損害保険料率算出機構の調査によると、自動車保険の普及率は74.8%となっており、車を保有している人のおよそ3/4が自動車保険に加入していることが分かります。
統計の数値は営業車も含まれていることから、個人に限って言えばもっと多くなるはずです。この事実から、どうやら何らかの事故に遭遇した場合、自賠責保険だけでは十分な補償が得られないものと考えているドライバーは多数派だと推察されます。
詳しくは後述しますが、自動車保険は自賠責保険に比べて圧倒的に選択肢が多く、実に多くの範囲を補償してくれます。もちろん、その分月々の掛け金は多くなるわけですが、自分が不安に思う事故のケースをカバーしてくれるため、多くのドライバーが加入を決定・検討しています。
自動車保険・自賠責保険の違いが分かったところで、続いては「それぞれの保険で補償される範囲」についてお伝えします。自賠責保険は明確にその目的が定まっている反面、自動車保険はドライバーがどのようなケースにリスクを感じているかによって、選ぶ補償内容が変わるところに特徴があります。
自賠責保険の目的は、事故被害者を取り急ぎ救済することです。よって、その補償内容は、全て相手方の身体への補償に限られています。
そのため、自分が歩行者をはねてしまった場合などに、自分の身体・車がどのような被害を受けたとしても、自分の自賠責保険から保険金が出ることはないため注意が必要です。また、相手方と車同士がぶつかった場合に、相手方の車に対する補償もありません。実際に補償される範囲は、主に以下の3つとなります。
自動車事故によって、相手方に何らかの損害を与えてしまった場合、以下の範囲において補償されます。
・治療関係費用
・休業損害
・慰謝料
・その他諸費用
支払い限度額は、被害者1名あたり「最高120万円」となっています。
ケガをしたことにより、労働能力が衰えたり精神的な苦痛を被ったりした場合、被害者1名あたり、以下の範囲・金額において補償されます。
①介護を要する後遺障害
・常時介護:最高4,000万円
・随時介護:最高3,000万円
②その他、後遺障害の程度により等級ごとの支払い
・第1級 :最高3,000万円
・第2級 :最高2,590万円
・第3級 :最高2,219万円
・第4級 :最高1,889万円
・第5級 :最高1,574万円
・第6級 :最高1,296万円
・第7級 :最高1,051万円
・第8級 :最高 819万円
・第9級 :最高 616万円
・第10級:最高 461万円
・第11級:最高 331万円
・第12級:最高 224万円
・第13級:最高 139万円
・第14級:最高 75万円
被害者が死亡した場合、逸失利益(本来得られるべきであるにもかかわらず、債務不履行や不法行為が生じたことによって得られなくなった利益)・葬儀費用・慰謝料として、最高3,000万円が支払われます。
この点は、自賠責保険の大きな弱点で、事故の状況・程度によっては自賠責保険だけではまかないきれないケースがほとんどのため、不十分な補償による自己負担を避ける理由から多くのドライバーが自動車保険に加入しています。
自動車保険は、自賠責保険がカバーしていた範囲に加え、自分自身の身体や車・物まで補償できる点がメリットです。また、被害者に対する補償も手厚く、優良ドライバーであれば掛け金も安くなるため、加入における抵抗は少ないでしょう。
以下に、主な保険の種類とその内容をお伝えします。
一般的に、自動車保険は「対人・対物」にきちんと加入しておけ、などと言われますが、そのうちの一つです。他人を死傷させてしまった場合の補償となり、自賠責保険の支払額を超える部分につき、保険金が支払われます。
こちらが充実していないと、有事の際に自ら莫大なお金を支払わなければならないため、対人賠償保険への「金額無制限」加入は事実上必須とされています。
自動車事故で、他人の車・家屋・物などを壊してしまった場合に、保険金が支払われます。公共物も含まれ、例えばガードレール・信号機・電柱・店舗も補償の対象となります。
注意点として、こちらの賠償はあくまでも「他人様」の財産につき、損害を補償することになっています。よって、自宅の駐車場で家族所有の車にぶつけた・車庫入れでシャッターを壊したなどの損害に対して、支払いはなされません。
保険契約をした自動車に搭乗している人、つまり運転手や同乗者が事故に遭遇し、ケガまたは死亡した場合に保険金が支払われます。
加入者にとって大きなメリットは、事故の過失割合(どちらに非があるのかの割合)にかかわらず、保険金額を限度として損害額が支払われる点です。
保険契約をした自動車に搭乗中の全員を対象とした保険で、死亡・後遺障害・医療保険金が支払われます。
人身傷害保険と似ていますが、こちらは一時金としての意味合いが強く、入院・通院の合計日数が一定日数を経過した時点で支払われます。そのため、総じて人身傷害保険よりも支払いのタイミングは早くなります。
契約している自動車に、何らかの損害が発生した場合、免責額を除いた金額が支払われます。年式などの条件により免責額が変わってくるため、車によっては加入できない・加入してもメリットが少ないケースがあります。
自動車事故により、死亡・後遺障害を負う状況になった際、相手の車が無保険車だと十分な補償を受けられない場合があります。そこで、相手方から十分な補償が得られない場合に備え、加入する保険です。
自動車保険と自賠責保険を見比べてみると、やはり自動車保険は圧倒的な分野をカバーしており、相手だけでなく自分の損害も補償してくれることが分かります。そのため、ドライバーが安心して運転するためには、やはり自賠責保険だけでは不十分だと言わざるを得ません。
自動車事故で苦しむのはもちろん被害者ですが、加害者もまた備えがなければ苦しみます。インターネット経由で契約すれば、月々の保険料が安くなる場合がありますから、自家用車を持つドライバーは必ず加入しましょう。
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