『イモビライザーついてますか?』
鍵をなくしてしまったり、スペアキーを作ろうとするときによく聞かれる質問です。
え?イモビライザー・・何でしょう、それ?
いきなりこんなことを聞かれたら、耳慣れない横文字にとまどってしまいますよね。そこでこの記事では、イモビライザーとは何なのか簡単にご紹介いたします。さらに、愛車のどこを見ればイモビライザーがついていることがわかるのか、その判別方法もお伝えしていきます。
クルマのことがよく分からない方でも、かんたんに理解できるようお伝えしていきますのでぜひ参考にしてみてください!
目次
イモビライザーとは、かんたんに言うと車の防犯装置のことをいいます。あなたのクルマにイモビライザーがついてますか?と聞かれたら、防犯装置がついてますか?と聞かれていると思ってください。
イモビライザー=車の防犯装置
従来のクルマの鍵は、ギザギザのついた金属の部分が鍵穴内の凹凸とかみ合うことで鍵が回りエンジンがかかる仕組みでした。しかし、この形式だと簡単に複製されてしまうという欠点があります。
鍵の山をそのままコピーしてしまえば、物理的に鍵はまわってしまい車内に侵入されてしまいます。もちろんエンジンの始動も可能です。これでは防犯上とても弱く、車の盗難や車上荒らしもかんたんにできてしまいますよね。そこでこの防犯性の脆弱さを解消するために開発されたのがイモビライザーです。
今までの鍵は防犯に弱い!
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かんたんに盗難できてしまう
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イモビライザーの開発
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防犯性が高まる!
イモビライザーキーの頭の部分に小さなICチップ(トランスポンダといいます)が収納されています。このチップに書き込まれたIDコードと、車両本体に登録されているIDコードを照合し、一致したときにエンジンがかかる仕組みになっています。
物理的な仕組みではなく、電気的な信号によってエンジンの始動ができるわけです。
カギのIDコード + 車両のIDコード
同じならOK!
さらに優秀な点があります。このIDコードはとても高度な暗号化技術によって発信されます。その組み合わせは膨大(数百万通りともいわれています)なため現在の技術では複製することは不可能と言われているのです。
もし仮に、悪い人がドアの鍵をこじあけて車内に侵入したとします。これは窓を割ったり、むりやりこじ開けたりすれば可能なことですよね。しかし、その先のエンジンをかけて走らせることが出来ないのです。短時間にIDを一致させることがほぼ不可能ですから。
イモビライザーのIDは(ほぼ)複製できない
このように、イモビライザーは盗難や乗り逃げなどの犯罪を大はばに削減できる画期的なシステムなのです。ただし、あくまでもエンジンの始動はできないというだけの機能であるため、前述したように車上荒らしやレッカー車を用いた窃盗には対応できません。この点は注意しましょう。
イモビライザーは、ヨーロッパでは1995年ごろに全てのクルマに装着することが義務付けされました。これは車の盗難や被害が多かったためで、EU諸国で法整備がなされたからです。一方、欧米に比べると犯罪率も低く安全な国といわれる日本では、なかなか世に広まりませんでした。ようやく2000年を超えたころから、各メーカーで取り入れるようになります。
現在では、日本でもほとんどの車種に普及しましたが、法的に義務づけられたわけではありません。そのため一部の車種やグレードでは以前として従来のキーシステムのままです。
ヨーロッパでは義務づけられているイモビライザー。
日本でも広く普及はしてきたが、まだ全ての車種ではない。
インジケーターランプが点滅
イモビライザーが搭載されているクルマの多くは、メーターまわりにインジケーターランプが備えつけられています。エンジンを切るとシステムの作動を知らせるために、セキュリティ表示灯が点滅します。まずはこのランプを手掛かりにしてみましょう。
ちなみに車種によっては、インパネの上部やフロントドアの窓付近に取り付けられているものもあります。見分けるコツとしては、外から社内をのぞき込み、点滅しているランプ(だいたい赤色)がないか目視してみましょう。
この点滅するランプは、鍵のマークか”SECURITY”と表示されている形状のものが多いです。
メモ なぜわざわざランプが点滅するのか?
周囲にイモビライザーが装着されたクルマですよ!と知らせることで、その存在を認知させるために点滅を繰り返します。この光で少しでも犯罪をおさえる効果が期待されています。
目印になるインジケーターランプですが、他の防犯系システムと併用される場合があります。たとえばトヨタの”オートアラーム”機能。これは、侵入を検知すると音と光で警報するセキュリティシステムです。
オートアラーム機能が作動するときは?
オートアラームやイモビライザーなどセキュリティに関係する機能をまとめて、インジケーターランプがあらわします。
プッシュスタート&スマートエントリー
ギザギザした鍵をシリンダーに差し込むタイプではなく、キーレスによるエンジン始動タイプのクルマは9割がイモビライザー装着車と考えてよいでしょう。スマートキーは各メーカーによって呼び方が違うので混同しがちです。ここでその名称を確認してみましょう。
この方法はおすすめできませんが、一応イモビライザー車かどうかの確認はできますので載せました。とはいえ、ICチップは非常に繊細です。触ったりはずしたりすると、すぐび割れてしまうほど脆いので素人の方は手を触れないようにしましょう。
イモビチップ(トランスポンダ)は壊れやすいのでさわらない!
というよりそもそも鍵を分解しない!
もし鍵をマスターキー、スペアキーともに紛失してしまった状況で、イモビライザーを確認したいときは、そもそも現物がないので試すことはできませんね。
クルマを購入した販売ディーラーに聞くのも確実でしょう。担当の営業さんでもいいですし、サービスフロントに聞いても間違いはないと思います。まさか自社のクルマで分からないということは無いかと思いますが、念のため車検証が手元にあると、年式やグレードなどが伝えられて話は早いです。
読んで字のごとくイモビライザーを遮断してしまう、その名も”イモビカッター”。みなさんはご存知でしょうか。イモビライザーを複製することは難しい、という話しを先ほどお伝えしました。
そこで考えられたのがイモビカッターによる盗難方法です。これは車両に登録されているID情報をリセットしてしまうという手口です。そして別に用意した鍵のID情報を、このリセットされた車両に再登録すると、新しいペアが誕生します。ここまでの所要時間は10秒ほど。短時間で簡単にクルマが盗まれてしまうのです。
メモ イモビカッターの成り立ち
このID情報をリセットする装置は、もともと鍵屋さんが合い鍵をつくるために開発された業務用品です。入手方法は意外とかんたんで、インターネットなどで手軽に手にいれることができます。
どんな犯罪もそうかもしれませんが、クルマの盗難に関しても、盗む側と守る側のいたちごっこが続いています。
(盗む)クルマの盗難が多い
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(守る)イモビライザー開発
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(盗む)イモビカッターの登場
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(守る)イモビカッターキラー開発
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・・・・・・・・・・・
自動車メーカーはイモビカッターに対抗するためにいろいろな工夫を凝らしています。また市場でも、イモビカッターキラーというものが生まれ、防犯の一役をかっています。
これはクルマに搭載されたコンピューターを常時監視して、不正アクセスを認めると無効化したのち、30秒間ホーンが鳴り、ハザードが点滅するというシステムです。
イモビライザーなどに代表されるクルマの盗難防止システムが普及していくと、それにともない盗難のリスクも軽減されていきます。そこでイモビライザーが装備されているクルマには、保険料の割引が適用されるようになりました。
”盗難防止装置割引”とも呼ばれ、イモビライザーに限らずさまざまなセキュリティシステムが装備されている車両に保険の割引が適用されます。ご自分が加入している自動車保険もぜひ確認してみましょう。
いかがでしたか。イモビライザーについてお伝えしてきました。とても心強いセキュリティの技術であるとお分かりいただけたと思います。自動車業界でも、昔は”イモビ”という略称でよく話題にのぼりましたが、一般的になじんだ最近では当時ほど耳にしなくなりました。
それほどセキュリティの技術が向上し、さまざまなシステムが登場してきているということですね。自動車の盗難はけっして遠い世界の話ではありません。あなたの大切な愛車を守るためにも、セキュリティに関する知識を備えていきましょう!
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