ドライブ中にタイヤがパンクしてしまったことはありませんか?
しかも、『あら、空気が抜けてるじゃない!?』というようなやさしいパンクではありません。走行中に”パーン”と破裂したかのごとくダイナミックにタイヤが裂けるレベルのパンクです。このようにパンクの中でも破裂をともなうものを”バースト”といいます。
バーストとはタイヤが破裂すること
バーストは突然におきることが多く、特に高速道路の走行中など、タイヤに負荷がかかっているときに発生しやすいです。この経験をしたことが無い人は、ちょっと想像をしてみてください。
たとえば高速道路で時速100km近くのスピードを出している。そのとき突然フルに稼働している4つのタイヤのうちの1つがいきなり破裂するのです。
恐くありませんか・・?
もしここで焦ってハンドリング操作を誤ってしまうと、思わぬ大事故にもつながります。また後続車や対向車に対しても巻き込みのリスクが生じるかもしれないのです。これはけっしてあなたの不安を煽っているわけではありません。このようなアクシデントは日常的におこりうることなのです。
そこでこの記事では、タイヤバーストの予備知識やその対策、また要因であるスタンディングウェーブ現象についてご紹介していきたいと思います。あまりクルマに詳しくない方でもわかるようシンプルにお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
スタンディングウェーブ現象とは、空気圧が低いタイヤで高速走行を行ったときに、タイヤの表面が波状に変形してしまうことをいいます。この状態で走行を続けると、タイヤがどんどん加熱され、最終的にはバーストする可能性があります。
スタンディングウェーブ現象とは
空気圧が低いタイヤで高速走行をしたときに、タイヤの表面が波状に変形してしまう現象
【バーストまでの流れ】
・タイヤには常に車体の重さ分の負荷がかかっている
↓
・タイヤは少し潰れた状態にある
↓
・もしタイヤの空気圧が低いと
↓
・潰れた部分のたわみが大きくなる
↓
・高速道路を走る
↓
・より大きな負荷がかかる
↓
・さらに潰れた部分のたわみが大きくなる
↓
・たわみが広がり波打った状態になる
↓
【スタンディングウェーブ現象】発生!
↓
・そのまま走る
↓
・バースト!
このような流れから、スタンディングウェーブ現象を誘発し、タイヤがバーストしてしまうのです。さらにこれだけたわみが広がっても、車軸自体が揺れるわけではありません。そのため意外とドライバーは危機がせまっている状況を気づかないことが多いのです。
スタンディングウェーブ現象はドライバーが気づきにくい
バーストがおきる原因はいくつかあります。
1 タイヤの空気圧不足
2 障害物などを踏む
3 多人数、過積載など
4 タイヤの劣化、損傷
クルマの重量を支えているのは4本のタイヤです。走る、止まる、曲がる、その役割を地面に直接伝えるのもタイヤの仕事。普段あまり気にならない方も、クルマの走行にどれだけタイヤが重要な役割を果たしているか、そして負担がかかっているか、お分かりになると思います。
もし空気圧が低い状態で走行すると、タイヤのバーストをはじめさまざまなリスクをともないます。
空気圧が低い状態で走行すると・・
タイヤ内の空気は時間の経過とともに自然と抜けていしまいます。そのため少なくとも1か月に1回は空気圧の点検をおすすめします。
タイヤの空気圧についてもっと知りたい方はコチラ
▶ 車のタイヤ空気圧は気にしてる?最近燃費が悪くなったのはそのせいかも!?
タイヤのひび割れによっても、バーストがおこるので注意が必要です。タイヤの内部にはスチールのワイヤーが張り巡らされているのをご存知でしょうか。ひびが入った状態で路面を走ると、そこから水が入り込み、スチールワイヤーが錆びてしまいます。
ワイヤーが錆びつくと、タイヤとワイヤーが分離することでタイヤの強度が下がります。その弱まった箇所に圧力がかかりバーストしてしまうのです。
タイヤにひびが入っているとバーストの原因になる
では、タイヤのひび割れはどうしておきてしまうのでしょう。これは時間による劣化が大きな原因になります。この劣化が意外に多いのが、あまり乗らないクルマ、走行距離の少ないクルマです。主にゴムでできているタイヤは、長時間放置しているとゴムが劣化し、何本もヒビが入ってしまいます。
また、タイヤには劣化防止剤が含まれています。しかし、その効果がいつまでも続くわけではありません。特に熱や紫外線を浴びると、その分早く抜けてしまいます。クルマを野ざらし、陽ざらしにしておくと、劣化速度は早まりひび割れにつながっていきます。
時間の経過でタイヤは劣化し、ひび割れにつながる
タイヤがバーストすると大きな事故につながるケースもあります。紹介するのは、トラックが突然バーストに見舞われコントロールを失ってしまった際の映像です。車線変更中に左前の前輪がバーストしてしまい、隣のレーンを走っていた乗用車に接触してしまいました。
ところで、バーストに前兆のようなものはないのでしょうか。
一般的には、細かい振動を感じたり、車内に焼けるゴムの匂いがする場合もある、と言われています。しかし、この映像を見てお分かりいただけるように、ほとんどが突然、一瞬のうちに起きてしまいます。
スタンディングウェーブ現象におちいっても、ドライバーは察知することができないのがほとんどでしょう。
実は筆者も2度ほど、高速道路でスタンディングウェーブ現象からタイヤがバーストしてしまった経験があります。1件は全く予兆を感じられずに、あっという間にタイヤが破裂してしまいました。
もう1件は、ガタガタと左前が揺れ始めたことを体感しましたが、そこからバーストまではほんの数秒。とても回避できるような時間ではありませんでした。大きな破裂音が鳴り響いたあとは、びくびくしながらゆっくりと路肩に寄せることでなんとか事なきをえます。
幸い、2回とも事故やケガはなかったのですが、何より周囲を巻き込むような事態にならなかったことに胸を撫でおろしました。ちなみに1回目は古い軽自動車、2回目はこれまた古いトラックでした。
事前にタイヤチェックを行わなかったので、実際にどのようなタイヤの状態だったのかはわかりません。おそらくタイヤはかなり劣化していたか、あるいは空気圧が規定値を下回っていたのだと思います。
バーストをおこすと、クルマのコントロールがきかなくなったり、操縦が困難になったりすることがあります。(全部が全部、制御不能になるわけではありません。ケースバイケースです)そのときの物理的に制御不能になるリスクが1点。それと、その際におちいりやすい精神的パニック、この2点がドライバーのリスクです。
タイヤのバーストによる2つのリスク
1 車のコントロールができない物理的リスク
2 そのことからパニックにおちいる精神的リスク
もし起きてしまったら、慌てずに対処することが大切です。けっして急ハンドルを切ったり、急ブレーキをふまない。じょじょにスピードを落として路肩まで移動しましょう。無事、止めれるスペースに移動できたら、救援を呼びます。JAFか加入されている任意保険のロードサービスに頼るのが確実です。
バーストしてしまったら、JAFか加入している保険会社のロードサービスを頼ろう
いかがでしたか。タイヤがバーストする原因”スタンディングウェーブ現象”と、その対処法についてお伝えしてきました。バーストは一歩間違えれば大事故につながるとても恐い現象だということが、おわかりいただけたと思います。
大切なのは、いかに未然に防ぐための努力を怠らないかです。日ごろからこまめにタイヤのチェックをしていくことですよね。特に空気圧のチェックは、月に一度は行う習慣をつけましょう。点検はガソリンスタンドでもかんたんにできます。
それでは、この記事でお伝えしてきたことをぜひ参考にしていただき、安全で快適なセーフティドライブをこころがけてください。自分だけではなく、家族や知人など同乗者の安全も、あなたの運転と正しいメンテナンスにかかっている、ということを忘れないでくださいね!
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