中古車を買おうと検討していると、『ワンオーナー車』という表記をよく目にしませんか?
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など、セールスポイントは数あれど、そのほとんどが車両の状態やオプションを示していることが多いですよね。その中で『ワンオーナー』と言えば、これはクルマの特徴でもなければ、便利な機能というわけでもありません。
すなわち、クルマ自体の情報ではなく前のユーザーの情報と言えます。にもかかわらず、中古車のセールスポイントの筆頭とも言っていいくらい上段に掲げられます。中古車事情に明るくない方の中には、なぜワンオーナーという項目がここまで注目を浴びるのか、いまいち理解がしづらいですよね。
はたして、このワンオーナー。
どこまで買う側にとってメリットがあるというのでしょうか。そこでこの記事では、なぜ中古車販売店がワンオーナーをそこまで推すのか、その秘密にせまってみたいと思います。初心者の方にもわかるように、シンプルにお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
ワンオーナー車とは、新車を購入してから1人の持ち主で所有されていたクルマです。複数のオーナーを渡り歩いていないために、あまり手垢のついていないイメージがうまれますよね。新鮮という表現がクルマにふさわしいかは分かりませんが、中古車市場にはじめて出てきたクルマということになります。
ワンオーナー車とは
新車として購入されてから、1人のオーナーで乗られたのち、中古車市場にはじめて出回ったクルマをさす。
メモ ワンオーナー車の範囲
レンタカーやリース車、事業用のクルマはワンオーナー車扱いされないのが一般的です。
たとえば、図書館の本を想像してみてください。複数の人が手に取って読んだ本があり、仮に3年たって売却されるとします。一方、同じく3年前にその本を購入し、家に保管していた人も同様に売却を考えたとします。
あなたはどちらの本を買いたいと思いますか? ただしキズや汚れなどコンディションは全く同じ状態と考えます。どちらかというと一人の人が所有していた本のほうを選ぶのではないでしょうか。
さすがに図書館というのは極端な例だったかもしれませんが、ほとんどの人が後者を選ぶのが自然でしょう。これは、新鮮で大切に扱われていたようなイメージが生まれるからとも考えられます。
一般的にいわれるワンオーナー車のメリットは、以下のようなものと言われています。
ワンオーナー車のメリット
ワンオーナー車は、新車を購入したという事実から、ある程度の経済力をもったユーザーであったと推測されます。そのことから、メンテナンスにもしっかりとお金を使っている可能性が高いです。また、新車を購入すると販売ディーラーの担当営業による、クルマのフォローアップが熱心に行われます。
12か月点検や車検なども、しっかりと受けるようアドバイスされるケースがほとんどでしょう。そのほか、複数のオーナーの手に渡っていないので、保証書や整備記録簿なども管理されたクルマが多いといえます。つまり、ワンオーナー車の場合、車両のコンディションが期待できる、という効果が見込めそうです。
もちろん、以上のことは一般論です。実際にはずさんなメンテナンスのユーザーも多くいますし、複数オーナーだからといって、車両管理がおざなりだったとは言い切れません。
冒頭から申し上げているように、これは”イメージ”の話になります。
なぜ、ワンオーナー車がこれほど重宝されるのかというと、古い時代(昭和頃)の名残りからだと言われています。当時は、今ほど中古車の流通網が整っていませんでした。
中核的な役割をはたすオークションもまだ未発達でしたし、情報をインターネットでデジタル的に結び付けるシステムもありませんでした。クルマの素性がわからない、出どころがはっきりしない車両は、買う側からしたら不安を駆り立てられる要素だったのです。
当時は、そのような中古車業界をとりまく環境であったため、中古車に関する不正行為が横行しやすい状況でした。特に懸念されていたのが、中古車の不正2大悪と呼ばれるものです。
中古車の不正2大悪
1 メーターの巻き戻し
2 修復歴の隠蔽
1台の中古車がどういった経路で、何人のオーナーの手に渡っていたのか。買う側は知るすべがありません。中にはメーターを巻き戻したり修復歴をかくしたりと、悪いことを考えて高く売ろうとする販売業者もいましたので、複数のオーナーが所有するほどそのリスクは高まったのです。
このような時代背景から、1オーナー車は信用の証として価値がうまれました。たとえば、メーター巻き戻しの疑いや、修復歴を隠すことは、どの店でも出来なくはありません。しかし、所有者が少ないほど買い手側には以下のような心理がめばえます。
不正疑惑パターンA 1オーナー車の場合
その販売店が限りなく黒に近い
↓
店の信用をなくしてしまう
↓
店は不正に手をださない
不正疑惑パターンB 複数オーナーの場合
どの販売店が悪さをしたのかわからない
↓
売った販売店は言い逃れができる
いかがでしょうか。1オーナー車ならまず間違いのないクルマだろう、と考えてもよさそうですよね。もちろん何度も申しますが、これは買い手側がうけとるイメージの話しです。
ところで、オートオークションが全国各地に浸透してきたころ、特設ワンオーナーコーナーというプレミアム出品が設けられました。このコーナーに出品された中古車は、信用できる車両だ、と業者間でも認識されていたのです。
このように、ワンオーナー車というプレミアは、古くから生まれた時代の産物と言えます。そして今の時代でも、その価値観は業界内で受け継がれてきています。
ワンオーナー車は、中古車の流通事情から生まれ重宝されてきた
いかがでしたか。ワンオーナー車が推される理由についてお届けしてきました。1章であげてきたように、ワンオーナーという響きそのものが、買い手にプレミアなイメージを自然に与えてくれます。また、2章でお伝えしたとおりの、中古車業界をとりまく二大悪といった不正行為がワンオーナーの価値をあげたという側面もあります。
実際に、車両がもつ性能やポテンシャルには、なんら関係が無いのですが、それでもワンオーナー車がもつ”信用性”について、ご理解いただけたのではないでしょうか。ちなみに、残念ながらクルマを売却するときには、ワンオーナーであっても一切加点されないと思っていたほうがいいです。
業者側は販売するときはワンオーナーを推すくせに、買取るときはまったく考慮してくれないのですから不思議ですね(笑)それでは、ぜひこの記事を参考にしていただき、もしあなたが中古車を検討しているなら、ワンオーナー車であるかどうかも判断材料の一つにあげてみてください!
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