トヨタは古くから日本の自動車業界をけん引してきた存在であることから、国内で圧倒的なシェアを誇っている点は誰もが認めるところでしょう。
しかし、トヨタ車に対する信頼は日本のみにとどまらず、海外のドライバーからも熱い視線を集め続けています。
北欧のフィンランドでは、北欧最大の新聞「ヘルシンギン・サノマット」に多数のトヨタ車広告が載っているのを見かけますし、ロシアでは右ハンドルで勝手が悪いはずのプロボックスが元気に走っている光景が見られます。
果たして、海外の人々は、トヨタ車のどんな点に魅力を感じているのでしょうか。今回は、トヨタが中古車輸出で圧倒的に強い理由について、その詳細をお伝えします。
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日本でも同様ですが、トヨタ車はとにかくたくさんの車種が存在しており、同じ国産車と比較した時、良くも悪くもトヨタ車全体の個性という点では乏しさを感じてしまいがちです。
しかし、逆に考えてみると、買う側としては目的に応じて柔軟に車種を検討できるわけですから、その豊富さは大きな魅力になるでしょう。
2020年3月現在、トヨタ公式サイトで確認できる車種は、乗用車で58種・ビジネスカーで22種となっています。ジャンルは、コンパクト・ミニバン・セダン・ワゴン・SUV・スポーツ・GRシリーズ・軽自動車・トラック・1BOX ・バン・タクシー車両・バスなど実に様々です。
軽自動車は日本独自の規格であるため除外したとしても、10種類を超えるジャンルを網羅できていて、しかもそれぞれに魅力的な車が揃っているとなれば、選ぶ側の自由度・満足度もその分高くなります。
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海外でトヨタ車に乗る人は、自家用車として乗車すること以上に、ビジネスでの用途を考えるケースが多いようです。その際、大きく分けて2つの考え方ができます。
1つは、きちんと使う目的を考えて車を選ぶ場合です。悪路を長時間走っても問題ない耐久性を備えている車が欲しい・数多くの荷物を載せて長い距離を走りたいなど、選んだ車でなければ達成できない目的が明確にあるケースです。
もう1つは、色々な用途に使える車に乗りたい、という場合です。ハイエースが良い例ですが、プライベートにもビジネスにも、利用者の考えに合わせて自由に使える取り回しの良さは、世界中で人気です。
地域ごとに良い車を手に入れたいというニーズは、各国でその中身こそ違えど存在しており、車種が多数であればあるほどニーズを満たしやすくなります。その点において、トヨタは他メーカーに比べて非常に有利な特徴を持っていると言えるでしょう。
日本におけるトヨタ車は、必ずしも価格帯が高値で取引されるものばかりとは限りません。大衆車や型落ち車であれば、かつて一世を風靡したモデルでも、20数万円で取引されることも珍しくない話です。
しかし、海外は単純な新旧という概念だけで価格帯が決まるわけではありません。続いては、トヨタが海外で好かれる、海外独特の事情についてお伝えします。
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日本国内だけで車に乗っていると、相手の車にぶつけないように・電柱や障害物・ガードレールでボディをこすらないようにと、一挙一動を丁寧に運転することに慣れてしまいます。
また、ちょっとした傷でもその後のことを考えて板金をお願いしたり、こまめにオイル交換・点検を行ったりと、一台に長く乗ろうと考えている人は丁寧なメンテナンスをするものです。
これに対して海外では、そもそも「車は壊れるもの」という考えが当たり前のように存在しています。
メンテナンスもトラブルが起きたら自分で行うという国が多く、かつてのアメリカではレンタカー運転中の旅行者に対し、高い修理代を吹っ掛ける文化があったという話も聞かれます。
※(現代ではGoogleの影響もあり、悪評は世界中に広まるため、このようなことは少ないと思われます。)
国民性の差は、当然ながら車作りにも反映されます。海外では当たり前のように起こる故障も、日本で起こると大問題です。
せっかく高級車を買ったのにエンジンが止まるようなことがあれば、その噂を聞くだけで車を買う意欲を失うのが大半の日本人です。
そんな日本人を相手にするには、並大抵の基準では満足してもらえず、トヨタは特に品質の向上・改善に向けて動かざるを得ませんでした。
その結果生まれたのが、世界中で知られる「トヨタ生産方式」であり、なぜを5回繰り返して問題の原因を分析する手法は特に有名です。
トヨタの設計者は、商品性と利益を同時に実現する立場として認識されており、責任の裁量にも特徴があります。
そのため、設計の時点で原価について考える場面も出てくるため、かなり現実的な部分を絞り込みつつ、安全基準を満たした車をリリースしていることが分かります。
日本人の勤勉な国民性に加え、シビアな品質・価格へのこだわりが、結果的に日本車を安全・頑丈なものに仕立て上げたと言えるのかもしれません。
日本人にとって、車は重要な資産の一つではあるものの、現代では「必ずしも各家庭に必要なもの」ではなくなりつつあります。
カーシェアリングによる気軽な運転・ローンを組んでの高級車購入など、車を手に入れる手段自体が豊富に存在します。
しかし、自国に工場がない国・発展途上国などは、1台の車を手に入れるのも大変で、しかもその修理に使える部品さえも満足に調達できないことは珍しくありません。
そうなると、雑なメンテナンスでも長く走ってくれる車・とにかく頑丈な車を欲しいと考えるのは自然なことです。
また、1台の車で「何でもできる」ことを考えた場合、できるだけ汎用性の高い車を手に入れたいと思うのは自然なことです。ハイエースなどの1BOXは、タクシーとしても運搬車としても利用でき、法律が許すなら移動販売車としても使えることでしょう。
発展途上国では、頑丈な車であるというだけで、持ち主にとっては多くの可能性が広がる結果につながるのです。
トヨタ車の凄いところは、その車がもう走れない「廃車」であったとしても、海外で売れてしまうケースもあることです。なぜ、そのようなことが起こるのか、海外のニーズを紐解いていきましょう。
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『自動車は中古パーツの再利用が命!リユース品・リビルト品・リンク品の違いも解説!』
海外における多くのドライバーの運転・車の取り扱い方は、日本人から見ると乱暴に感じられます。ラテン系の国々では、街中に車を停めている場合、相手の車が邪魔で出られなければ、バンパーにぶつけてから相手の車をずらして動かすケースもあるようです。
このような環境では、見える部分・見えない部分のパーツ摩耗は激しくなる傾向にあり、修理時に良いパーツが手に入らないケースが考えられます。
トヨタ車の工場がない国であれば、特に純正のパーツが手に入りにくいため、故障時に備えてパーツを手に入れたいと考える人は一定数存在しているものと推察されます。
そういった事情から、パーツ単位での取引もトヨタ車は活発に行われています。そして、パーツを手に入れられるのは「廃車」からですから、結果的に廃車にも値が付くことになるわけです。
廃車・すなわち解体車は、環境にとって有害な物質を処分した後、パーツ単体を売る方向性で輸出が検討されます。これは、もう走らない車をパーツに分けて輸出するわけですから、中古車を輸出することにはカウントされません。
しかし、車がパーツの組み合わせでできていることを逆手に取り、あえて車をバラバラの状態で輸出する方法もあります。
これは「ノックダウン輸出」と呼ばれ、車を完成形として売るよりも関税を安く抑えられ、現地で組立工の仕事も創出できます。
日本車は人気がある分、海外で関税をかけられることは少なくなく、そのためトヨタも現地生産体制を強め、世界で高いシェアを得ることに成功しています。
ただ、これはもちろん新車の話で、中古車の価格帯を考えると、並行輸入では間違いなく関税がかかるものと想定されますから、複数の中古車をパーツごとにノックダウン輸出した方が実入りはよいはずです。
世界中で活躍している中古車のパーツが手に入るわけですから、組み立てた際に余ったパーツを二次的に売買することもできます。色々と応用の効く輸出方法と言えるでしょう。
★【お願い】昭和から平成25年(2013年式)くらいまでのトヨタ車を探しています>>
★【参考】トヨタ車のおもいでガレージの廃車買取実績全部公開中!>>
トヨタ車は、世界中で信頼を集めてきました。それゆえに、中古車でも高い評価を得ています。
頑丈さだけでなく、車ごとの特徴がはっきりしていて、モデルによっては使う場所を選ばない柔軟性が魅力です。
日本では時に万人向けにつくられたがための没個性などと揶揄されることもありますが、それは世界の事情を知らない日本人だけの話なのかもしれません。
廃車をするにあたって最初の一歩は『あなたの愛車の価格を知る』ことです。
おもいでガレージの問合せフォームから査定依頼をすると、あたなの愛車の価格がかんたんにわかります。廃車査定は現車を見せる必要がないのが特徴で、その場にいながら手軽に金額を知ることができるのです。
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