エンジンかかるかな?
長期間、車を動かしていないと、頭に不安がよぎります。1か月や2カ月ならまだしも、1年、2年ともなるとかなりの確率で嫌な予感が的中してしまいそうです。
まずバッテリーの心配をするのでしょうが、こちらは最悪の場合、交換すればよいか、と考えます。次に浮かんできそうなのが、ガソリンではないでしょうか。
腐ってないよね、と。
果たして、ガソリンは腐るのでしょうか?
これはどうやら表現の問題のようです。厳密に言うと、ガソリンは腐りません。しかし状態としては、古くなると変色して強烈に臭くキツい匂いを放つようになります。
もともとのガソリンの色はオレンジに近いです。それが第一段階で緑に変色。そこからさらに経過すると、ドロドロのオイル状態になり、最終的には硬く樹脂のようになります。ほとんど“腐っている“と言ってしまってよいかとも思うのですが、この場合”劣化する“が適切な使い方になるようです。
目次
ではいったいガソリンはどのくらい寿命があるのでしょう。
一般的には半年くらいが相場といわれています。ただしこれは保存状態(湿度・水分・空気・光など)に左右されるようで、状態が良ければ3年くらいもったという例もあります。
ということは、車を放置したままそのような期間がたっていたら、まずアウトと思ってまちがいなさそうです。バッテリー、タイヤの空気圧、ガソリンなど寿命のある部位は、何らかの処置を施さないと再び動かすことは厳しいです。どれか一つを見直せば良いというわけではなく、複合的な要因でダメになっている可能性が高そうです。
ガソリンの状態を確かめるにはどうするばよいでしょうか。車のタンクに入っているため、色を見るわけにはいきません。しかしキャップを開ければヘドロのような強烈な悪臭がしますから、確認も何も、何が起きているかすぐに理解する、という声が多いようです。
なぜガソリンは劣化してしまうのか。
どんな物質も腐敗や腐食、劣化、消耗は基本するのが当たり前ですから、この疑問は少々おかしいかもしれませんね。永遠に保持し続ける方が不思議です。
ガソリンが劣化してしまう原因は何か。
まず酸化してしまいます。燃料タンク内には当然空気も含まれています。中の空気の量はガソリンの量と反比例しますので、酸化の速度はいちがいには言えませんが、なにしろ酸化が進行していきます。
それから、揮発成分が抜けていきます。(揮発とは、液体が常温で気体となって発散することを指します。)燃料タンクのキャップの隙間から少しずつ揮発性の高い成分が漏れてしまいます。
これはきつく締めても完全に密閉することは出来ません。
劣化したガソリンを使うとどうなるか。
そのように腐敗したドロドロのガソリンが、エンジン内を循環するのです。想像すれば、何が起きそうか分かりそうなものですよね。専門的に何が起きるかはともかく、故障してどこか壊れるなと。
サラサラではなく液体と固体が混ざったようなドロドロ状態ですから、人間の血液同様けっしてよろしくないことです。どこかが詰まるわけです。
このような状況に遭遇した場合、自分で何とかしようとするのは(例えばその場で捨てる、など)やめた方が良さそうです。
気化したガソリンは引火する危険性があります。
専門の業者さんにお願いして、劣化したガソリンを抜いてもらうなり、何らかの処理をしてもらいましょう。
もちろんそのまま運転するのも、故障の原因につながりますから、避けた方が無難です。
あまり車に乗る機会がない方は、ガソリンが劣化しないように常時備蓄をしておこう、と考えるかもしれません。(備蓄にはいくつかの決めごとがあります。金属製容器を使用する事であったり、個人で持てる量に上限があったりです)
しかしそれはあまりお勧めできません。やはり火の元に万全の注意を払わなくてはなりませんし、それでいて災害などに巻き込まれてしまえば、2次災害を誘発する恐れもあります。
ガソリンの備蓄はなるべく控えるよう、消防署HPでも謳っているのです。
ガソリンの劣化が発覚したら、リスクを考慮し無理をせず専門の業者さんに頼むのがベストの選択だといえそうです。
おすすめ記事